日経プラスワン

治療についてガイドラインでは、腹腔(ふくくう)鏡(内視鏡)を用いて胆のう全体を摘出する手術が強く推奨された。複数となる腹部の切開は1センチメートルが1カ所、0.5センチメートルが3カ所程度で手術時間は60~80分。患者はその日のうちに歩けるようになり、食事もできる。入院期間は「他の基礎疾患がない場合、2泊3日程度」(田妻院長)だ。最近はへその部分1カ所を切開する「単孔式内視鏡手術」も登場した。傷痕がほぼ残らないので若い女性が選ぶことも多い。

問題は人間ドックなどで無症状の結石が発見された場合だ。「親も胆石で苦しんだ。最近は治療の負担も小さいのであらかじめ切除したい」と予防的手術を希望する人もいる。ただ、藤田所長は「症状のある人は手術、無症状の人は経過観察が原則。検査を受ける人のなかには症状があっても治療を受けていない人も多く、早期に受診し、経過観察でよいか、胆のうがんがないかなどを確認したい」と話す。

胆石症は加齢とともに増える病気。若いうちから生活習慣を改善して予防することも大切だ。脂肪の多い食事を減らし、食べる時間も規則正しくすること。ダイエットで食事を1~2回にするのも「胆のうがポンプの役割を十分に果たせなくなり、結石ができやすくなる」(田妻院長)。

身近な病気だが、ときに命にかかわる症状をもたらすこともある胆石症。仕事に支障の出ない治療を選ぶためにも、早期発見のための基礎知識を持ちたい。

(ライター 荒川 直樹)

[NIKKEI プラス1 2022年5月7日付]