店舗内外の人流データ分析し、渋谷店の価値を可視化
「メディアとしての価値を訴求したい」と北川代表は狙いを話す。センサーは15メートル先まで認識し、どの交差点から来店した人が多いか、どの時間帯の交通量が多いかなどのデータをきめ細かく把握する。
店舗外の人流と組み合わせ、場所としての渋谷店の価値を可視化することで、店舗マーケティングに活用する。データを分析して人が多い時間帯に販促イベントなどを開催したり、交通量に応じて出展料を見直したりする考えだ。
ベータは販売を主目的としない「売らない店」として20年8月に日本に進出した。食品や家電メーカーなどに体験コーナーを場所貸しするビジネスモデルだ。店舗スタッフの評価軸には、顧客からもらったフィードバックの内容や数を活用している。
21年はそごう・西武や大丸松坂屋百貨店が「売らない店」を相次ぎ開業した。新型コロナの影響で消費のネットシフトが進み、店舗のあり方を既存の小売大手も模索している。
競合が増える中、「店舗スタッフである『ベータテスター』のクオリティーが重要」と北川代表は接客の重要性を認識している。日本の「売らない店」の市場を開いたベータの次の一手に、注目が集まる。
(淡海美帆)
[日経MJ 2021年12月8日付]