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西武ホールディングス社長 後藤高志氏

西武ホールディングス社長 後藤高志氏

西武ホールディングス(HD)の後藤高志社長は在任17年間、不祥事で揺らいだ経営基盤の立て直しに力を注いできた。前職の銀行員時代も含め、物事を前向きに考える思考が危機に対応する支えとなった。

――2012年ごろから、西武HDの筆頭株主となった米国の投資ファンド会社、サーベラスと経営方針を巡り対立しました。

「基本的には友好関係が続いていました。ところがリーマン・ショックに東日本大震災が重なり、より深掘りした経営改革が必要になりました。当初考えていた上場時期は後ろ倒しせざるを得ない。いちど上場廃止でステークホルダーに多大な迷惑をかけた我々は、会社法などの法令や東証の上場ルールを順守し、ちゃんとした形で上場がしたかった」

「ゴルフでいえば球をフェアウエーに打つ。ルール上問題なくともラフやOBではダメだと。ファンド会社としての理想の上場を目指すサーベラスとは方法論の違いで緊張関係となったわけです。サーベラスは敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けてきましたが、結局(米元副大統領ら8人の取締役への選任など)サーベラス側の提案は定時株主総会で否決され、翌14年に東証1部上場を果たしました」

「彼らとは一時的に緊張感が高まりましたが、06年の増資引き受けから上場に至るまで一貫してサポートしてくれたことには感謝しています。これは私の本心です。サーベラスにとっても良い形でイグジット(投資回収)できたと思います」

――苦しいときに支えとなった経験はありますか。

「学生時代に所属した東大ラグビー部での日々です。当時の監督に口酸っぱく言われたのが『フェアプレーをしろ。きたないことはするな』ということです。私は体が小さく、早稲田や慶応、明治など名門大学の選手と比べて体格も技量も劣っていました。だから余計な策は図らずとも、とにかく真っすぐ走って、相手がボールを持っていれば姿勢を低くしてタックルしなさいというわけです」

「どんなに激しいファイトをしても、ノーサイド(試合終了)のホイッスルが鳴れば、お互いの健闘をたたえて拍手したり抱き合ったりするのがラグビーです。株主提案が否決された株主総会の後、米国からやってきたサーベラスの幹部に『私はラガーマンだった。これでノーサイドにしよう』と握手を求めたら大変喜んでくれました」

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