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神明ホールディングス社長 藤尾益雄氏

神明ホールディングス社長 藤尾益雄氏

コメの流通をほぼ自由化した2004年施行の改正食糧法。止まらないコメ消費量の減少。コメ卸が窮地に立たされる中、最大手の神明ホールディングスは業界の殻を打ち破り、外食や青果卸など異業種への参入に果敢に挑んできた。大病を乗り越えた4代目社長の藤尾益雄さん(56)は「経営者たるもの約束を守る」という先々代の教えを守り、従業員とともに会社の変革期を乗り越えようとしている。

――良いリーダーの条件についてどう考えますか。

「約束を守れるかどうかです。経営者にとって一番大事なのは、会社を守ることです。会社を守らなあかん。皆の給料、ボーナスを上げていかなならん。働いている人はメシを食わせてくれる人についていきますからね。『ついてこい』『ついてきたら一生メシ食わせたる』という約束を守れるかが大事です。先々代の祖父、豊から教わった何よりの経営の基本です」

「1995年の阪神大震災のことはよく覚えています。私が30歳の年でした。会社はボロボロ、本社は亀裂が入ってゆがんでしまった。悲惨でした。電車が止まる中、それでも社員は数十キロ歩いて会社に集まりました。皆それほど会社が好きだったんですね」

若手時代は営業など幅広い業務を学んだ

若手時代は営業など幅広い業務を学んだ

「この人についていけば、絶対メシが食える。祖父はそう思わせてくれるリーダーでした。業界では潰れるといわれた神明が震災からV字回復できたのは、そんなリーダーがいたからかなって思うんですよね」

――先々代からの影響が大きいですね。

「『おぎゃー』と生まれた時点から、物心つかない頃から、帝王学を受けました。小学校から帰ると、『益雄はおるかー!』から始まり『おまえが藤尾家の4代目や、会社の跡を継ぐんやぞ』『友達は必要ない。ただ、ビジネスにおけるパートナーは必要やぞ』と毎日のように言われていました」

「とても厳しい人でしたね。『親も先生も怖くなかった。ただ一人あんたのじいさんだけは怖い』と取引先にも恐れられるほどでした。『私たちは人に勝っているものなど何もない。強いて言うなら人の3倍努力することで能力の差を埋めるんや』。もともと90人程度の小さな会社だった神明を、祖父がそうやって大きくしてきました。私の経営の根幹をつくってくれた尊敬するリーダーです」

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