2021/10/17

本社の敷地内には地元の人や観光客向けの見学施設もある。同社の歴史展示と小規模の試飲スペースを備えた「大正蔵」と、ウイスキーを造る「三郎丸蒸留所」だ。コロナ禍で感染対策を施し、事前予約を条件に1回60人、1日計3回の見学を受け入れている。

52年に製造を始めた三郎丸蒸留所は4年前、クラウドファンディングで資金を調達して改修。外観は建築当時の雰囲気を残しつつ、隣接する高岡市の伝統産業である鋳物の技術を生かした蒸留器などを入れた。

ウイスキーの三郎丸蒸留所には、隣の高岡市の伝統産業である鋳物技術を生かした蒸留器がある(富山県砺波市)

2代目の小太郎氏が種をまいたウイスキー事業は今、日本酒に迫るほどの売り上げを稼ぐ。改修を指揮した5代目で現在34歳の稲垣貴彦取締役は「仕事は常に何を残し、何を変えるかのせめぎ合い」と話す。不易流行の酒造りを追求し続ける。

(富山支局長 国司田拓児)

[日本経済新聞電子版 2021年10月7日付]