企業再生、信頼が近道に 必要なのは「腕力ある善玉」インテグラル 山本礼二郎代表取締役(上)

インテグラル代表取締役 山本礼二郎氏

生き馬の目を抜く投資ファンド業界で短期回収を優先する「ハゲタカ」とは一線を画し、「ハートのある投資」を目指しているのがインテグラル。代表取締役の山本礼二郎さん(61)は「腕力ある善玉」を信条にアデランス、ヨウジヤマモト、イトキン、東洋エンジニアリング、スカイマークなどの経営改革・再建に取り組んできた。心のつながりを重視する「浪花節型の投資ファンド」を統率する。

――企業再生を通じて様々な経営者と仕事をしてきたと思いますが、リーダーに必要な資質とは何でしょうか。

「人の心を動かすことができるのがリーダーの第1条件ですね。反対者がいても、決断に納得してもらい、実行することができる。他人が認めてくれなければリーダーにはなれません。大切なのはどんな状況でも結果を出し続けること。結果が出ていれば、人々の疑念や批判は消え、支持や協力に変わっていきます」

「優れたリーダーは人間的な魅力も持ち合わせています。心を通い合わせることができれば『大変だけどあの人のために頑張ろう』と周囲も付いてきてくれる。そのためには人の心や全体の状況を敏感に感じ取るアンテナが必要です。木を見ながら、森も見ることができる。そんなバランス感覚があるリーダーが率いる組織は勝負にも強い」

――「腕力ある善玉」が信条ですが、その真意とは。

「競争ですから経済活動で勝ち負けが出るのは仕方がないことです。特に経営危機に陥ったら交渉、資金、人脈、調査能力、経営・法律知識など力業がどうしても必要になってくる。でも苦しんでいる相手の足元を見て、リストラや資産売却などを強引に迫るハゲタカファンドのような手法は日本のビジネス風土にはなじまないと感じてきました。私利私欲を優先するだけでは問題は解決しません」

「企業経営や投資を動かしているのは人間です。ウィンウィン(相互利益)の関係でなければ良い方向には進まない。きちんと相手の顔を見て本音をぶつけ合い、しっかりした信頼関係を築く。それがなければ経営再建は成功しないでしょう。力業もできるし、相手に喜んでもらえる存在にもなれる。両方を兼ね備えたリーダーを私は『腕力ある善玉』と呼んでいます」

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明るさと笑いを結束力に