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国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の土井香苗・日本代表は、難民申請者の弁護を担う「人権弁護士」を経て、非政府組織(NGO)で人権問題を取り扱う「人権活動家」へ転身する。組織運営のためのファンドレイズ(資金調達)という、弁護士時代とは異なる難題に直面し「熱意を持ち、ぶれずに率直に向き合う」ことの大切さ、そして組織の動かし方を学んだ。

――弁護士からNGO勤務へと転身しました。

「本心では難民問題などの人権問題に全力を注ぎたかったのですが、弁護士時代は収入を得るために他の案件も担当する必要がありました。また、難民問題の根っこにある世界の人権危機の解決にも関わりたいと思い続けていました。そもそも難民は母国での迫害を逃れるために生じるのです。そこで国際人権法を学ぶため2005年に米ニューヨーク大学のロースクール(法科大学院)に留学し、06~07年にHRWのニューヨーク本部でフェローとして働く機会を得ました」

「採用にあたり『日本の人権状況ならリサーチできる』と伝えましたが、HRWから与えられた任務は『日本の外交を人権外交に変えるための政策提言』でした。世界の強権国家における人権弾圧に比べれば、日本の人権状況への注目度は低かったのです」

「HRWには、経済大国である日本は潜在的に外交上の影響力が大きいのに、人権のためにその影響力を全然使っていないといういらだちがありました。ファンドレイズ部門は日本での資金調達の有望性にも懐疑的でした」

――NY本部でのフェローの任期を終えるタイミングで、東京オフィスの開設に携わることになったのですね。

「フェローの任期が終わり、帰国してからもHRWで働き続けたいと思っていました。するとHRWのケネス・ロス最高経営責任者(CEO、当時)から『東京オフィスの立ち上げをやってみないか』と言われました。望外のオファーで大喜びだったのですが、難題が一つありました。ファンドレイズです」

「常設のオフィスを構え、スタッフを雇うにはそれなりのお金がかかります。募金といえば数百円、数千円単位という印象しかなく、1口あたり数百万円、数千万円といった大口の寄付を集めるイメージがわきませんでした」

ヒューマン・ライツ・ウオッチ日本代表 土井香苗氏

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