ひらめきブックレビュー

組織のポテンシャル 引き出せるかは「問いかけ」次第 『問いかけの作法』

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ビジネスパーソンが多くの時間を費やす会議や打ち合わせ。そうした場で「何か良いアイデアはないか」と問いかけると、皆がいっせいに目をそらし押し黙ってしまった、といったことはないだろうか。こんなことでは、とてもではないが成果につながる活発な議論など期待できない。

本書『問いかけの作法』は、こうした「会議あるある」をなくし、チームのポテンシャルを最大限に引き出す「問いかけ」の考え方やテクニックを紹介している。問いの組み立て方、投げかけ方などを豊富な実践例をもとに解説。会議だけでなく、面談や相談、商談などのビジネスコミュニケーションにも役立つヒントが得られる一冊だ。

著者の安斎勇樹氏は、東京大学大学院で特任助教を務める傍ら、組織コンサルティングのMIMIGURI(ミミグリ、東京・文京)の代表として、大企業からスタートアップまで様々な組織の創造性を引き出すサポートを行っている。

■「ワークショップ型」でチームを活性化

先行き不透明で「正解」が見えづらい時代だ。全員が上からの指示やマニュアルに従って黙って仕事をこなすだけの組織は生き残れないかもしれない。これからは、上下の立場に関係なく対話を繰り返し、変化に対応した問題解決や意思決定を行っていくチームのあり方が求められる。著者はそうしたスタイルを「ワークショップ型」と名付けている。

ワークショップ型では、個々のメンバーの「こだわり」、すなわち価値観や独自の考え方、信念などを生かしながら、チームとしてのこだわりを見つけ育てる必要があるという。さらに著者は、常識や固定観念といった「とらわれ」を疑い問い直すことで、自由な発想を引き出すことの重要性も強調している。

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