日経プラスワン

室内ならどこでもいいわけではない。植物は光合成をして生きるのに必要な栄養を作り出すため、日光が当たるところへ。ただ、強い直射日光では葉が日焼けすることもあるので、やわらかい日差しが長時間当たる場所が最適だ。風通しも大切だ。「空気がよどんで過湿になると、葉に斑点ができる褐斑(かっぱん)病が発生したり、ハダニやカイガラムシが付いたりする」(中山さん)。特に梅雨から夏の高温多湿期には要注意だ。

温度・光・通風の3要素を考慮すると、やわらかい光が入る窓際に置くのがベスト。冬は外気温が下がるので、窓から少し離すといい。窓から遠く、日が当たりにくい場所でも、長時間照明がついていれば生育は可能という。反対に「殺風景だから」と考えがちなトイレや洗面所、北側の部屋の隅や玄関は、観葉植物にはつらい場所になる。暖房器具の熱やエアコンの風が直接当たる場所も避けよう。乾いた風で葉が傷んでしまう。

日々の管理では、水やりのコツをつかみたい。土が湿ったままだと雑菌が増えて根腐れにつながる。基本は土が乾ききってから、鉢底から流れ出すまでたっぷり与える。「水と一緒に新鮮な空気が根に届き、土中の老廃物が流される。受け皿にたまった水は必ず捨てる」(中山さん)

一方、霧吹きはこまめに、数日おきにしたい。雨に打たれるように、たっぷりの水で葉の表と裏を洗い流し、自然乾燥させる。「霧吹きの目的は保湿ではなく、ホコリや虫を洗い流すこと」と中山さん。屋外や風呂場で水をかけるか、ぬらした布で葉を拭くのもいい。とはいえ、忙しくてうっかり水やりを忘れ、枯らしてしまうこともあるだろう。「枯れてもあきらめないで再挑戦して」と市野沢さん。失敗しながら学べばいい。

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水やりのコツ

水やりにはメリハリが大切だ。「植物は水を求めて根を伸ばす。いつも湿っていると伸びない」と中山さん。土の中の乾き具合を測るには水やりチェッカー(写真)が便利だ。土中の水分量を色や数値で示す。

あまり手を掛けられない人は、乾燥に強い品種、例えばガジュマル、サンセベリア、フィロデンドロンなどを選ぶのも一案。鉢が小さいと乾きも早いので、直径20センチメートルほどのものがおすすめだ。様子を見るのを忘れそうという人は、「休日の朝は水やりから、など生活リズムに組み込んでみては」(市野沢さん)。

(ライター 奈良 貴子)

[NIKKEI プラス1 2022年2月5日付]