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新型コロナウイルス感染症の検査を手掛けるH.U.グループホールディングス(HD)。竹内成和社長(68)はソニーグループ傘下のレコード会社に入社後、芸能事務所やアニメ制作会社など多様な業界でトップを務めた経験を持つ。コロナ下の経営では、自らの経験に頼りすぎず「現場に委ねることがリーダーの役割」と話す。

――コロナ禍ではどのようにリーダーシップを発揮しましたか。

「2020年1月に国内初の感染者が出た後、感染の有無を調べるPCR検査をすぐに立ち上げる必要がありました。国の検査施設だけでは能力が足りないことは明白でした。日ごろから医療機関や保健所が実施する臨床検査を受託する我々の使命は、検査を止めないこと。大号令をかけてウイルスの遺伝子情報や検査に必要な手法をグループ内で迅速に共有しました」

――素早く対応できた背景には何がありますか。

「16年の着任以降、事業会社間の壁を壊すことに必死でした。当社は臨床検査受託のエスアールエル(SRL)と検査試薬製造の富士レビオが統合した経緯がありますが、縦割り状態が長く続いていたため一体経営の強化を急いできました。両社の社長とは一対一での対話の機会を頻繁に持つようにしています」

「20年5月、国内で最も早く(PCRより簡便に判定できる)抗原検査キットを発売しました。富士レビオが開発したキットの性能を、SRLのノウハウで素早く検証できたことが効きました。以前なら1年かけても開発できていなかったでしょう」

H.U.グループホールディングス社長 竹内成和氏

H.U.グループホールディングス社長 竹内成和氏

――部下とのコミュニケーションで心がけていることは何ですか。

「部下を萎縮させないこと、気さくで声を掛けやすい存在であることを心がけています。私自身、若い頃から生意気で、上司を上司と思っていないようなところがありました。大学を卒業後に就職したCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)の自由な社風に随分助けられました。上下関係に厳しい会社だったら、すぐに潰れていたかもしれません」

「HUの社長に就いた時、まず現場を知り、同時に私のことを社員に知ってもらわなければと考えました。全国の事業所に出向き、現場を見ようと覚悟を決めたのです」

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