「液体のバーベキューソースを塗る場合は、焼き上がりの15分くらい前にソースを塗ると、きれいな照りがでる」とサチさん。約1キログラムの丸鶏なら、焼き時間は180度で50分ほど。家庭用オーブンにはクセがあることが多いので、途中で前後を180度回転させるとムラなく焼ける。
焼き上がったら10分ほど置いて肉を休ませてから、ビールの入った容器を抜き取り、大皿に盛り付けよう。クリスマスカラーを意識して、ケールやパセリなど緑の葉で囲み、一緒にローストした野菜やトマトなどを盛り付ければ華やかなメイン料理の完成だ。

慣れていないと、丸鶏を切り分けるのも難易度が高いかもしれない。切り分けるコツは、まずモモ肉を切り離し、胸肉の真ん中に切り込みを入れてから骨に沿って切り開くようにするときれいにできる。残った骨や肉は別の料理に活用できるので、多少骨に肉が残っても気にせず、大胆に切り分けよう。
オーブンに丸鶏が入らなかったり、丸鶏を扱うのが苦手だったりする場合は、手羽元や骨付きモモ肉、胸肉などを、チャック付きのポリ袋に入れてビールや砂糖、塩とともに1時間~一晩マリネしてからスパイスをもみ込んで焼く調理法もおすすめだ。また、ビール以外に、シードルやりんごジュース、コーラ、ジンジャーエールなどでもおいしくできるという。
食べ切れなかったら、サラダやサンドイッチ、骨を使ったスープなどにリメークすれば、飽きずに食べられる。今年のクリスマスはローストチキンに挑戦。おいしく焼いて、残さず食べつくそう。
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残った骨も再利用

残ったローストチキンの活用術を管理栄養士で料理研究家の牧野直子さんに聞いた。アボカドやレタス、セロリなどとドレッシングであえるサラダは定番。身を細く割き、生春巻きの具材にするのもおすすめだ。
「わが家では、骨を水から煮出してスープをとる」と牧野さん。骨のまわりに残った肉からも味が出て、おいしいスープになる。キャベツやタマネギを加えてポトフ、トマトと野菜を加えてミネストローネにとアレンジも広がる。ご飯とほぐした身、チーズを加えてリゾット、ごま油で風味を付ければ中華がゆにも。
(ライター 土井 ゆう子)
[NIKKEIプラス1 2021年12月4日付]