ポリ袋で醸造のクラフトビール 島根・石見麦酒の挑戦

2021/11/14
定番シリーズ(左の3本)や石見神楽シリーズなど常時20種ほど用意。地下80メートルからくみ上げた井戸水を使っている

世界遺産の石見銀山(島根県大田市)から車で約50分。島根県西部の中国山地を望む小高い森の中にあるのが、温泉リゾート「風の国」(同県江津市)だ。敷地内にある石見麦酒は、画期的な醸造法を始めたクラフトビール会社として注目されている。

ビール醸造は金属製のタンクを使って行うのが一般的だ。だが、2015年創業の同社はポリ袋を使って醸造している。工場長の山口巌雄さんは起業を志したとき「ビール醸造の温度管理をする冷蔵庫は四角なのに、そこに入れるタンクが丸なのはナンセンス」と疑問を抱いていた。そんな時、友人の一人が「ポリ袋を使えばいいじゃないか」とヒントをくれた。「それだ!」となった。

石見麦酒は温泉リゾート「風の国」の敷地内にある

大学卒業後、味噌メーカーで働いた経験のある山口さん。味噌づくりでポリ袋を使用するのは一般的だった。このためビール醸造でも応用できる確信があった。ただ当初はなかなか理解を得られなかった。

転機になったのが14年度の江津市ビジネスプランコンテストへの応募だった。アイデアは大賞を受賞。翌年には山陰合同銀行のごうぎん起業家大賞でも最優秀賞に輝いた。受賞により様々なバックアップを得られたことで、醸造免許を取得できたという。