グローバル化の「新しい段階」

英国のEU離脱、各国の保護主義台頭、パンデミックなどに鑑みて、グローバル化は「終わりが近い」とする論もある。しかし、著者によれば終わるのではなく、新しい段階すなわち「第四のグローバル化」に突入した。今後は、研究開発やエンジニアリング、デザインのグローバル化が進むという。データ処理やビデオ編集、経費処理といった「その他サービス」はみな、過去の製造業のようにコストの安い場所へ流出する。もはや地球上のどこで、誰が、何をつくっていても、驚くことはなくなるのだろう。歴史的変遷の背景を丁寧に説いているからこそ、著者の予想する未来には説得力がある。

過去の戦争や金融危機などが、間接的に多くの人々の生活に影響を与えてきたように、私たちは今、世界のできごとの影響を大きく受けつつある。本書からグローバル化の行方を考えてみてはいかがだろうか。

今週の評者 = 前田真織
2020年から情報工場エディター。2008年以降、編集プロダクションにて書籍・雑誌・ウェブ媒体の文字コンテンツの企画・取材・執筆・編集に携わる。島根県浜田市出身。

物流の世界史 グローバル化の主役は、どのように「モノ」から「情報」になったのか?

著者 : マルク・レヴィンソン
出版 : ダイヤモンド社
価格 : 2,640 円(税込み)