新しい仕事に就くと書店でまず本を持てるだけ買い、勉強する。

大学卒業後すぐに勤めたのは東京銀行です。国際的にとても開かれた組織で、のちに船橋洋一さんの『通貨烈烈』を読み、描かれた世界を身近に感じました。当時は85年のプラザ合意の発表から円がドルに対して1日で20円も一気に高くなったとか、様々な出来事がありました。

その後、夫の英国留学に伴って銀行を退職し、私もオックスフォード大の大学院に通いました。知的マラソンのようなコースで、膨大な文献を読んでエッセーを書きます。若き日のポール・コリアー先生と一対一で話し合う授業を続けました。

例えば「経済援助には意味があるのか」との問いかけに対し、自分の考えを書いていく。先生が書かれた『最底辺の10億人』は、貧しい国々のために本当になすべき行動は何かを深く考察しています。

私は10年ほど前に『親子読書のすすめ』という本を書きました。子供たちと一緒に読んだ絵本などを150冊紹介しています。どれも好きですが、中川李枝子さんの『森おばけ』は本当に温かい気持ちになれます。

(聞き手は編集委員 坂本英二)

[日本経済新聞朝刊2021年10月2日付]

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