2022年12月2日発売の「日経トレンディ2023年1月号」 ▼Amazonで購入する では、「2023-2030大予測」を特集。2025年に大阪市で開かれる国際博覧会(大阪・関西万博)の目玉の一つが、空飛ぶクルマを使った「エアタクシー」だ。特に有力な米Joby Aviationは、2024年にも世界各国のエアタクシー事業者へ納品を始める。これが契機となり大阪はもちろん、東京など他のエリアでもエアタクシーの商用運航が始まりそうだ。

※日経トレンディ2023年1月号より。詳しくは本誌参照

ANAホールディングスと提携する米Joby Aviation
ANAホールディングスと提携する米Joby Aviation

 2025年に大阪市で開かれる国際博覧会(大阪・関西万博)の目玉の一つが、空飛ぶクルマ(UAM:Urban Air Mobility)を使った「エアタクシー」だ。未来の乗り物が、SF映画の中から飛び出し、いよいよ現実の空ではばたく。

 まず、商用運航が実現できそうな4人乗り以上の機体を手掛けるメーカーが、8社に絞られてきた。なかでも開発競争で先行する1社が、トヨタ自動車が出資し、ANAホールディングスと提携する米Joby Aviationだ。翼に6つのプロペラを備えた「S4」を、24年にも世界各国のエアタクシー事業者へ納品を始める。

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 Joby Aviationを含む大半のメーカーが手掛けるのが、バッテリー駆動するeVTOL(電動垂直離着陸機)と呼ばれるタイプの機体。ヘリコプターのように垂直に上昇・下降が可能で、ビルの屋上でも離着陸しやすいのが特徴だ。滑走路が要らないので、日本の国土環境にも合う。

 エアタクシーが実際に日本の空を飛ぶ契機となるのが大阪・関西万博で、本格的な商用運航の様子を世界に初披露する計画だ。会場の人工島・夢洲と大阪国際空港(伊丹空港)、大阪市内、淡路島などとを結ぶ8路線を検討中。事業化を視野に入れて子会社そらとぶタクシーを設立した大宝タクシーによると、大阪市内と夢洲間とを10〜15分で結び、料金は1万5000〜2万2500円と試算する。実現すれば、約30分かかるタクシー(料金は6000円程度)に比べて、半分の時間で移動できる。

 東京でも、エアタクシーの商用運航が始まりそうだ。東京都がエアタクシーの社会実装を目指すプロジェクトを立ち上げ、22年8月に三菱地所、日本航空、兼松によるコンソーシアムを採択したからだ。3社は24年に実証実験を行う計画だ。三菱地所は大手町・丸の内・有楽町エリアの街づくりに力を注いでおり、成田空港・羽田空港との間をつなぐ路線が誕生するかもしれない。

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