ファンのアイデアがヒット作を生む

ところがイノベーション・マトリクスには欠点があった。ある程度の売り上げ規模を見込める商品開発を前提としている点だ。売り上げ度外視でも新分野に挑む商品開発により、レゴブロックの価値をさらに高めるにはどうすればいいか。クヌッドストープ氏は、その答えを「ファン」に求めた。

08年、ファンからアイデアを募り、ファン同士の「投票」で商品化を決める「レゴ空想」というプラットフォームを、日本人起業家の西山浩平氏と共同開発。14年には「レゴアイデア」と改称し、本格的に展開していった。その結果、米航空宇宙局(NASA)の女性宇宙飛行士をテーマとするなど、ユニークなヒット商品が多数生まれている。

「ブロック」という軸をぶらさずに、いかに独自の付加価値をつけていくか。それこそがレゴの脱コモディティー経営の本質といえる。これは、企業だけでなく個人のブランディングにも役立つ考え方ではないだろうか。

今週の評者 = 倉澤順兵
情報工場エディター。大手製造業を対象とした勉強会のプロデューサーとして働く傍ら、8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」のエディターとしても活動。東京都出身。早大卒。

レゴ

著者 : 蛯谷 敏
出版 : ダイヤモンド社
価格 : 1,980 円(税込み)