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MPower Partnersゼネラル・パートナー キャシー松井氏

MPower Partnersゼネラル・パートナー キャシー松井氏

ゴールドマン・サックス証券(GS)で副会長などを務め、「ウーマノミクス」を提唱したキャシー松井氏。2021年には仲間とベンチャーキャピタルファンドを立ち上げた。厳しいときこそ成長のチャンスととらえ、挑戦する精神が欠かせないという。

――女性リーダーの道を切り開いてきました。

「自分の原点は家族とともに汗を流した農場です。父は1万円札1枚をポケットに入れ、奈良県から米国に渡った移民一世。作家スタインベックの生地サリナス(カリフォルニア州)に借金をして土地を買い、花の栽培を始めました。後に全米市場シェア20%を占める最大のラン農家になりますが、私が幼いころは家はトレーラーハウスで、両親は働きづめでした」

「小学校高学年になると週末や夏休みなどは日没まで花摘みや水やりをしました。お小遣いはなく、働いた分だけもらいます。お金は空から落ちてこない、頑張って工夫して初めて手に入る。自然と働くことの価値を学びました」

「挑戦の大切さも両親から教わりました。『人生は自分で選択したほうが成功のチャンスは大きい』『大学までは出してやる。でもその後は一生、お父さんのお金を当てにするな』とよく言われました。姉、私、弟2人がみなハーバード大学に進んだのは、父がいい意味で退路を断ってくれたからです。ハードワークとチャレンジ精神は自分の大きな財産です」

――仕事のスタートはバブル崩壊の時期でした。

「ストラテジストは機関投資家に投資戦略を提案する専門家です。市場は混乱していたうえ、国内の大手証券会社には分析の量やスピードでかないません。外国人、女性、若さの3つもハンディです」

「しかし、日本の投資家が知りたいのは海外の投資家の動向。ネーティブの英語が役立ちました。厳しい状況だったからこそ短期的な分析より長期的・構造的な問題で勝負しようと思い、企業年金の積立金不足問題や『ウーマノミクス』など自分ならではのリポートに取り組みました」

「30歳前後のころ営業から『すでに自分を評価してくれている顧客ばかりまわっている』と指摘されました。はっとして改めました。なじみがなく、自分の分析に厳しい目を向ける相手だからこそ、学べることがあります。ずいぶん鍛えられ、後によい関係をつくれることになりました」

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