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梱包材が自宅インテリアに 共同紙業の「イロハコ」 

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2022.6.15

YROEHTブランドの商品第1弾として販売されている「YROHAKO(イロハコ)」

包装資材などを手掛ける共同紙業(東京・文京)の商品「YROHAKO(イロハコ)」が話題だ。中に入れる物の引き立て役にすぎなかった貼り箱を、室内に飾ってインテリアとしても楽しめる収納箱に進化させた。新型コロナウイルス禍で自宅の中で過ごす時間が増えるなか、家の中に彩りを添える新たなアイテムとして注目されている。




共同紙業は1954年に設立された、段ボールなどの包装資材を取り扱う専門商社。商品のパッケージや梱包材をデザイン・設計し、食品や化粧品メーカーなど企業向けに販売している。

色は7色 日々の生活に刺激

そんな共同紙業が新たな顧客層の開拓を目指し、2021年3月にBtoC事業として立ち上げたのが「YROEHT(イロエット)」だ。コンセプトとして掲げるのは「コンフォータブルな違和感」。家での時間が増えるなか、これからの居住空間には快適さだけでなく、日々の生活に刺激を与えてくれるような心地よい異質性が必要なのではないか、という思いを反映した。共同紙業が長年製造してきた貼り箱を、ただ物を収納するための箱としてではなく、家の中にも飾れるインテリアとしてアレンジした。

商品名はイロハコ。一般的な貼り箱は機械によって大量生産されることが多いが、イロハコは全て職人による手作り。日常的に物を出し入れしても形が崩れないよう、紙材を何層も重ねることで強度と耐久性を高めた。インテリアとして使われることを想定し、箱の内側にも外側と同じ色の紙を貼り、見た目の美しさを意識した。

色は全部で7色を展開する。淡い緑色は「ザッソウ」、薄い紫色は「ノバナ」など色名にもこだわった。コロナ禍で外出を控えるようになったことで再認識された「これまで見過ごしてしまっていた当たり前の風景からデザインの着想を得た」(イロエットの垣下祐介ブランドディレクター)。