自覚症状がない以上、大切なのは毎年きちんと健康診断を受けることだ。「尿たんぱくが出ていたり、クレアチニン値が高いときには腎臓内科を受診してほしい」と小倉院長は訴える。

尿が泡立っている場合、たんぱくが出ている可能性がある。朝晩の体重変動も注意したい点だ。腎機能が悪くなると日中に水分をうまく排出できなくなる。「夜間頻尿があって就寝時よりも起床時の体重が1キログラム以上減っていたら要注意だ」(小倉院長)という。気になったら、まずは尿検査を受けるようにしたい。

糖尿病性腎臓病や腎硬化症の場合は日常生活の改善が予防につながる。常喜教授は「動脈硬化が進むことで糸球体が壊れる。生活習慣病予防が慢性腎臓病の予防につながる」と話す。

糖尿病と同様にリスクが高いのは高血圧。腎臓の機能が低下すると、血圧も上がりやすい。小倉院長は「予防には第一に減塩」と明言する。塩分を控え、高血圧の人は降圧薬で血圧を下げよう。動脈硬化を進めるたばこは厳禁。太らないような食事をし、運動を習慣づけるのも大切だ。

(ライター 伊藤 和弘)

[NIKKEIプラス1 2021年10月30日付]