スポーツベッティングに解禁論 欧米では税収に貢献

「スポーツベッティングが欧米で新たな産業として成長していると聞いたけど」「スポーツの試合を対象にした賭けのことだね。ただ、日本では違法。解禁するにはいろいろ課題がありそうだ」

欧米で解禁が進み、日本でも合法化をにらんだ議論が始まるスポーツベッティングについて、バーチャルキャラクターの日比学(ひびまなぶ)くんと名瀬加奈(なぜかな)さんが、北川和徳編集委員に聞きました。

日比くん「ベッティング(賭け)は欧米でも、公営のレースやくじ、カジノなどの許可された場所を除いては違法ではないのですか」

伝統的にギャンブルが盛んな英国では1960年代から政府が公認したブックメーカーが、スポーツに限らず天気や選挙結果などあらゆることを対象に賭けを提供してきました。他国も2000年代以降は民間への開放が進み、イタリア、フランス、ドイツと順次解禁されています。

日本では競馬や競艇などに賭けの対象が限られている(写真はイメージ) =PIXTA

米国ではラスベガスがあるネバダ州などを除いて、連邦法で禁じていました。18年にそれが最高裁で廃止となり、各州が独自に対応できることになりました。すでに過半数の州が解禁しています。カナダも21年から合法となり、主要7カ国(G7)でスポーツベッティングを解禁していないのは日本だけです。

名瀬さん「なぜ、各国で解禁が進んだのですか」

IT(情報技術)の進化で、情報やサービス、資金が国境を超えて流れるようになったからです。国内で禁止しても、海外サイトを通じて賭けられ、資金は国外に流出します。日本から海外の賭けに参加するのは厳密には違法と考えられますが、取り締まりはほとんどできていません。

桜美林大学の小林至教授によると、米国では解禁前に違法ベッティングの市場規模は40兆円以上との試算がありました。各州の税収不足もあり、国内で管理して課税しようとなるのは当然の流れ。小林教授によると合法化以降で米国の賭け金の総額は11兆円を超え、税収は総額約1100億円。賭けを提供する企業が上場し、人気スポーツの放映権料も高騰しています。

日比くん「実際にはどうやって賭けるのですか」

試合結果やスコアの予想より、オンライン化が進んだ今では試合中から次々と賭けを提供するライブベッティングが人気です。エンゼルスの大谷翔平選手が次の打席で本塁打を打つか否か、サッカーなら次のシュートを打つのはどちらのチームか――。週末などに家族や友人と集まって試合をテレビ観戦しながら、予想してスマートフォンで少額を何度も賭けて盛り上がるのが、健全な楽しみ方です。

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