こっそり減らすと、ツイッターやインスタグラムといったSNSで批判的なコメントが広まってしまいます。中には同じ商品で5年前の写真と比較する投稿もあります。そのため、企業イメージを意識するメーカーがステルス値上げをやめ、普通に値上げして発表することが増えました。結果として毎日のように値上げが報道され、なおのこと消費者の目につくようになっています。

今回の値段の方程式です。

今年の値上げラッシュ=
コロナ後の需要回復と物流コストの上昇+消えるステルス値上げ

このままいろいろな商品の値上げが続くと、日本の安い物価の象徴である「100円ショップ」にも影響が広がりそうです。すでに店頭では100円より高い商品が増えてきており、最大手のダイソーでは1000円の商品も出てきました。さらに物価高が続くと、100円の商品が消えてしまう可能性も否定できません。

円安で物価高定着も

今年の物価上昇を左右するポイントとして、為替も気になります。単純にいうと、輸入価格の押し上げ要因になります。日本はエネルギーの原油や大豆、小麦など多くの食品を輸入に頼っています。企業がコスト増加分の価格転嫁を進めた場合、多くの製品の値上がりにつながります。

いま起きている値上げラッシュは、まだ「序章」といったところです。日本国内の需要の増減に関わらず、世界的な要因で上がってしまう物価。円相場は1月5日に1ドル=116円台前半と5年振りの円安・ドル高水準になりました。円安が定着し、いわゆる「悪い円安」の傾向が強まってこないか、心配なところです。

(BSテレ東「日経モーニングプラスFT」コメンテーター 村野孝直)

値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜から金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。