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ウクライナ危機、食卓直撃 回転ずしも値上げのピンチ

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NIKKEI STYLE

パンやパスタ、カップ麺に冷凍食品――身近な食品の値上げラッシュが続きます。特に目立つのが小麦粉を原料とする製品です。最大の輸出国ロシアが有力産地のウクライナを侵攻したため、さらに値上がりに拍車がかかっています。米シカゴ商品取引所の小麦先物価格は14年ぶりに最高値を更新し、日本の輸入価格も上がりそうです。資源大国ロシアとの貿易が滞る影響は今後、燃料や金属価格など幅広い品目に広がります。割安な値段で人気の回転ずしも直撃しそうです。

日本の輸入小麦価格上昇

ロシアは最大の小麦輸出国です。ロシア南西部からウクライナにかけて肥沃(ひよく)な土壌があり、世界有数の穀倉地帯として「欧州のパンのかご」と呼ばれています。世界の輸出量をみるとロシアが17%、ウクライナが12%で、合わせて3割を占めています。シカゴ市場の先物価格は3月4日、14年ぶりに最高値を更新しました。ロシアの侵攻を挟んだ2週間で、およそ1.6倍という急ピッチな値上がりです。

ロシアとウクライナ両国からの輸出停滞により、価格はまだ上がりそうです。日本が輸入する小麦は、農林水産省が製粉会社へ売り渡す仕組みになっています。2021年10月~22年3月期の価格は、前の半期に比べ19%上昇しました。上げ幅としては過去2番目の大きさでした。最近のパンやパスタの値上げは、この値上げ分を反映させたものです。

「ウクライナショック」による最近の急激な値上がりが響いてくるのは、今年4月からの売り渡し価格です。4月からは前の半期(10月期)に比べ17.3%引き上げられます。現在の算定方法になってからの最高値だった08年10月期(7万6030円)に次ぐ2番目に高い水準となりました。小麦を使った製品の2次、3次の値上げは避けられないでしょう。

貴金属ではパラジウムが上がっています。あまりなじみがない金属かもしれませんが、歯科治療の銀歯や自動車の触媒などに使います。日本のパラジウムの輸入先は1位が南アフリカ、2位がロシア。生産量でもロシアは世界の43%を占めています。パラジウムはレアメタルの一種であり産出量は少ないです。価格も急上昇しており、このままの状態が続けば保険治療の費用も上がりそうです。

ロシア産魚介類の流通細る

日本がロシアから輸入している品目で影響が大きそうなものは何でしょうか。輸入品目をみると天然ガスや石炭、石油といった燃料が1番多いですが、注目は3番目の「食料」です。この食料のうち魚介類が96%を占めています。

貿易統計によると内訳は「魚の肝臓・卵・白子」、「ずわいがに」「べにざけ」と続きます。「魚の肝臓・卵・白子」は2種類あり、「その他」とあるのは大半が「イクラ」で「タラ」とあるのは「タラコ」です。すしネタがずらりと並びます。特にロシアを中心にした輸入物が多い回転ずしで影響が出そうです。

回転ずしはロシアなどからネタを大量に輸入することで、安さを実現しています。イクラで価格を比べると、21年平均で国産が1キロ7333円(東京都中央卸売市場)に対しロシア産が同3632円(貿易統計)。ロシア産は国産の半分の値段です。カニやウニでもロシア産の存在感は大きいです。

品不足と価格高騰に備えて、回転ずしチェーンでは対応を考えています。あるチェーンの幹部は「ロシアからタラバガニやボタンエビ、ウニを仕入れている。他の食材に切り替えて運用するしかない」と話します。代替産地を探すにしても、十分な量を賄えるかのメドはたっていません。輸入品の多くは冷凍で在庫がありますが、いつまでもつかは不透明です。

人気のサーモンにも波及

回転ずしでは、ロシア産以外の魚にも頭の痛い問題が浮上しています。すしネタで人気ナンバーワンのサーモンは、ノルウェー産の入荷が滞っています。日本が技術指導したことで品質が向上し、人気になっています。

ロシアは欧州各国の航空会社に対し、ロシア領空の飛行を禁止しています。これまでロシア上空を通る最短ルートで新鮮なサーモンを運んでいましたが、これが難しくなりました。他のルートを使えば遠回りになり、輸送費もかさみます。回転すし店にとってはダブルパンチともいえる状況で、ロシアへの経済制裁が長引けば今後は値上げする店が出てくるかもしれません。

(BSテレ東「日経モーニングプラスFT」コメンテーター 村野孝直)

値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜から金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。

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