「薄利多売」から「利益重視」に転換

かつてのスタンドの経営方針は「薄利多売」でした。近くのライバル店よりも1円でも安く売ってでも量をさばいていれば経営が成り立っていました。ところが、仕入れ値は元売りの再編で下がりにくくなっている現状で、なおかつ全体の需要が減っている中では「多売」も難しくなりました。こういった市場の変化を受けて、スタンドを経営する販売会社も「利益重視」の姿勢に転じています。

石油元売りの統合・再編、ガソリンスタンドの減少によって販売方法が「利益重視」に変わったことで、原油高はそのまま製品であるガソリンの価格に反映しやすくなり、下げ局面だとしても下がりにくい構図になっています。きょうの方程式は「ガソリンの高止まり=販売各社の『薄利多売』から『価格重視』への転換を反映」となります。

緊急事態宣言も解除され、今後は旅行も上向くでしょう。ガソリンの値上がりはドライバーにとっては頭の痛いところです。今後はどうなるでしょうか。残念ながら当面は上がるとみられています。ガソリン高が一服するには原油価格が下落するか、円高が進行するかのどちらか、もしくは両方の条件が必要になりますが、2つともいい要因がありません。ニッセイ基礎研究所の上野剛志さんは、「当面上昇基調が続きそうで、年内に全国平均で170円まで上昇する可能性がある」とみています。

(BSテレ東日経モーニングプラスFTコメンテーター 村野孝直)

値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜から金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。