「お茶くみしてね」なぜ私? まだ残る職場の「駄言」
『早く絶版になってほしい #駄言辞典』(以後、『#駄言辞典』)。ジェンダーにまつわるステレオタイプから生まれる400を超える「駄言」を、エピソードとともに紹介している本書から、駄言の実例とその駄言を生んでいる背景の分析を紹介します。今回は「キャリア・仕事能力」に関する駄言とその要因「その2」を掲載します。
「女性がいれたお茶はおいしいナァ」
女性に「お母さん」的な役割を押しつける職場はまだあります。以前は、女性は早く出社し、全社員にお茶を配り、退社前には全員分の湯のみを洗わなければいけなかった職場もあったそうです。そんな中、「お茶くみ反対」運動を巻き起こし、大変な思いをしてこの悪習を撲滅するために行動した人たちもいたのです。
しかし、女性社員だけがお茶くみをさせられる「習慣」はもはや過去の遺物かと思いきや、今回、複数の人からの投稿で、まだこの習慣が残っていることが明らかになりました。20代女性からの投稿もあり、今の若手社員の中にも、現在進行形でこうした経験から仕事へのやる気を失っている人がいると分かりました。
駄言の実例「お茶くみしてね」
【「キャリア・仕事能力」に関する駄言~その2~】
書籍『#駄言辞典』にも掲載されている、公募で集まった「駄言」の一部を紹介します。以下、太字部分が駄言です。応募時に寄せられたコメントや投稿先も併せて掲載します。
「あなたはお茶くみしてね。女の子が入れたほうがおいしいから」
同期(男性)と2人で新卒で配属された支店で、女の私だけお茶くみを命じられた。お茶の味に性別なんて関係あるか。(ツイッターより)
「コーヒーも満足に入れられないのかよ」
てめえの飲みもんはてめぇで用意しろや。(ツイッターより)
「えっ、水割り作れないの? 普通さ、女の子は全員作れるでしょ?」
(ツイッターより)
「女の子なんだから(机の上の)ゴミ片付けないと」
(自分のゴミじゃないのに)上司に言われました。確かに私も気が利かなかったけど、ちょっとイラッとしました。普通に「片づけてほしい」と言ってほしかったです。(ツイッターより)
「女の子だから整理整頓、得意でしょ?」
(ツイッターより)
「やっぱり総合職の女子より一般職のほうがいいよな」
男性社員の発言。(ツイッターより)
◇ ◇ ◇
『#駄言辞典』をコミュニケーションのきっかけにして、皆さんの力で古い固定観念に揺さぶりをかけ、ステレオタイプを覆していきましょう。
(構成 小田舞子=日経xwoman)
[日経xwoman 2021年6月24日付の掲載記事を基に再構成]
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