
週刊ヤングジャンプ主催の美少女発掘オーディション「ギャルコン2021」でグランプリに輝いた注目の若手女優・中西悠綺(ゆうき)さん。中国を代表する女優チャン・ツィイーさんらを輩出した北京の名門大学・中央戯劇学院で演劇を学び、香港で武術を習得するなど、海外でキャリアを磨いてきた。日中合作ではなく、中国製作の映画で日本人女優としては初となる主演を務め、話題となっている。中国でのキャリアを選んだ理由や語学習得法、海外生活で学んだコミュニケーション術などについて聞いた。
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昨今、ハリウッドに進出する日本人俳優は増えてきましたが、そんななか「アジアのトップを目指したい!」と単身で中国に渡ったのは女優の中西悠綺さん。もともとはアイドルグループ「Tokyo Cheer2 Party(東京チアチアパーティー)」第1期生のセンター兼メインボーカルとして13歳でデビュー。松方弘樹主演作『柳生十兵衛 ~世直し旅~』ではヒロインを務めるなど、映画や舞台にも活動の場を広げていました。しかし、20歳を迎えると中国で本格的に演技やアクションを学ぶことを選択します。
女優として、誰も成し遂げていないことをしたかった
――女優のお仕事も順調に進んでいたなか、日本ではなくあえて中国でお芝居を学ぼうと思ったのはなぜですか?
中西悠綺さん(以下、中西):「アジアで活躍できる女優になりたい」と考えたときに、アジアと言えば中国かなと思ったからです。合作で主演を務めたことがある方はいても、中国映画で主演を務めた日本人女優はいないと聞いていたので、まだ誰も成し遂げていないことをしたいなと。あとは、アジアで認知してもらえたら日本でも注目してもらえるかもしれないという思いもあったので、留学することを決めました。ただ、まさかひとりで中国に渡ることになるとは……。これは、自分でも想像していなかった未来です。

――最初は台湾に行かれたそうですが、そこではどういった生活をされていたのでしょうか。
中西:まずは、中国語を学ぶために、台湾の台北で語学学校に通いました。行くことを決意してすぐに旅立ったので、現地に着いたときに私が知っていた中国語は「ニーハオ(こんにちは)」と「シェイシェイ(ありがとう)」だけ。いま思うと、本当に無謀でしたね(笑)。
毎日勉強を続けて、3カ月で日常会話レベルに
――中国語を習得するまでの期間や実践した勉強法についても教えてください。
中西:まず、語学学校では日本人の友達をつくらないこと。とにかく中国語だけを聞いて、話すという環境に身を置くようにしました。早く習得したかったので、学校の宿題以外にも、中国のドラマを見たり、音楽を聞いたりしながら、セリフや歌詞を自分で書き起こして単語力を増やしていきました。そんなふうに毎日勉強を一生懸命続けていたら、3カ月後には日常会話はできるくらいのレベルにはなりました。話せるようになっていく過程は、本当に楽しかったですね。
――3カ月で日常会話とは、かなりハイペースだと思います。その後は、どうされたのですか?
中西:最初は中国語を習得することだけを考えていましたが、中国で活躍するためにはアクションができたほうがいいと思ったので、次は香港に行きました。そこで3、4カ月ほどアクションや武術を学んだあと、演劇の大学に通うために向かったのが北京です。
