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男性育休の取得率、初の1割超え 業界・企業規模で差

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NIKKEI STYLE

日経 X woman

厚生労働省は2021年7月、雇用均等基本調査を発表。20年度に育児休業を取得した男性は12.65%で初めて1割を超え、過去最高を記録しました。政府目標の13%には届きませんでした。調査では産業や規模別のデータも公開されましたが、データをよく見ると、取得が金融、大企業などに偏っていることが分かります。リクルートワークス研究所の主任研究員で、雇用政策や家族政策が専門の大嶋寧子さんに雇用均等基本調査を読み解いてもらいました。

■男性育休、企業が本気で捉え始めた

日経xwoman(以下、――) 男性の育児休業取得率が、初めて1割を超えました。

大嶋寧子さん(以下、大嶋) 育児・介護休業法の改正による影響が大きいとみています。企業に対し、男性、女性にかかわらず自身や配偶者の出産や妊娠を届け出た社員に育休を取る意思があるかを確認するよう義務づけるものです。父親の「育休」だけでなく、子どもの誕生直後に父親が「産休」を取れるようにもなります。

―― まだ施行前の法律ですが、効果が出てきているのですか?

大嶋 法改正は21年に成立、22年4月から順次施行されますが、議論は18年ごろから政治家の発言や与党議員連盟、政府の懇談会と多様な場で行われており、その内容を大企業が本気で捉え始めました。法改正に向けた検討が具体化する中で、企業の人事も男性の育休取得拡大に向けて、より積極的に働きかける必要があると認識し始めたのです。

実は、男性の育休取得は、企業にとっても悪い話ではないんです。企業は出産などのライフイベントにかかわらず女性が組織に貢献し続けられるよう、さまざまな努力を重ねてきました。その中で、男性が育児休業を取得する、というのは、女性が活躍する上で必要なピースの一つでした。

私が話を聞く人事担当者は「女性活躍を本気で実現するためには、男性も含めて職場全体の意識を変える必要があり、男性の育児休業はそのための施策である。ただし人事施策はすぐに効果が出るとは限らないので、改正法の施行を待たず取り組みを充実させている」と話していました。

―― 産業別のデータではばらつきがありますね。

■取得率が低いままの業界も

大嶋 金融業・保険業、そして情報通信業が突出して高い水準です。金融は20年度31.04%でした。19年度から10ポイント以上伸ばしています。情報通信業は14.84%です。

金融業・保険業はもともと、女性の多い職場です。女性のさらなる活躍を目指して、いわゆる「一般職」を廃止し管理職昇進が可能なコースに統合したり、職域を拡大したりするなどの取り組みも行われてきました。だからこそ女性たちが、結婚・出産を機に退社してしまうことに対し、業界として、もともと強い問題意識がありました。

逆に取得率が低いままの業界もあります。例えば、電気・ガス・熱供給・水道業は2.95%と平均を大きく下回ります。不動産や建設といった業界も数パーセント台と低く、緩やかに上昇しているものの、先行する産業との差が開いています。

―― 取得率が低い業界は、業界、もしくは企業の自助努力で改善は可能ですか?

大嶋 男性の育休取得率が低い業界の特徴の一つに、小規模な企業が多いことが挙げられます。例えば建設や不動産業・物品賃貸業では、小規模な企業の割合がそれぞれ95%、97%に上り、従業者のうち小規模な企業に勤める割合も農林水産業を除く産業平均の2倍以上です。小規模な企業ほど一人が多様な役割を担い、代替要員の確保も難しいため、男性の育休取得に積極的になりにくい事情があります。取引先の都合で業務量が変動しやすい下請け企業では、人手が減ることで納期を守りづらくなることもあるでしょう。

実際、育休取得が進んでいないのは、規模の小さな事業所です。20年度のデータを事業所規模別に見てみると、100人~499人の事業所の取得率は17.21%、500人以上は13.09%といずれも平均を上回ります。一方、5~29人の事業所は9.68%でした。

建設や不動産業など小規模な企業が多い業界では、業界団体や国によるさらなる取り組みが必要だと思います。例えば業界団体が旗を振って、産業全体で男性も育児休業を取得しやすい働き方を推進することや、政府が男性の育休取得を推進するために設けている助成金について小規模な企業向けの支給を拡大すること、助成金受給に関わる計画策定や手続きをサポートすることなども考えられます。

―― 大嶋さんは雇用均等基本調査におけるデータの不足も指摘しています。

大嶋 産業別のデータはあります。事業所規模別のデータもあります。一方、産業別と事業所別のデータを組み合わせた動向や地域別のデータは一般向けに公表されておらず、どこに課題があるのかを研究者やメディアなどが把握しにくい状況にあります。例えば、「不動産業×事業所規模500人以上」の男性育休取得率、というデータは雇用均等基本調査になく、政府の他の部門もデータを出していません。

業界ごとの課題の把握やマクロデータの改善など課題は山積しています。ただ、男性育休の取得率が1割を超え、また、来年から改正法が施行されることもあるので、当面は男性育休の取得率は上昇トレンドが続くでしょう。その間に、一企業の努力では難しい部分を少しずつ改善していってほしいと思っています。

大嶋寧子
リクルートワークス研究所  主任研究員。東京大学大学院修了後、富士総合研究所、外務省出向、みずほ総合研究所を経て、2017年より現職。育児や介護など制約のある労働者のキャリア形成と活躍推進、デジタル時代における就業者のスキル再開発などをテーマに研究。著書に『不安家族―働けない転落社会を克服せよ』(日本経済新聞出版)。東京大学経済学研究科博士課程在学中。

(取材・文 飯島圭太郎=日経xwoman)

[日経xwoman 2021年9月8日付の掲載記事を基に再構成]

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