日経ウーマン

2022/2/10

ビギナーは投信積み立てレベルアップにETFを

篠 投資のスタンスや目的にもよります。「相場に一喜一憂せず長期投資したい」なら、一般的な投資信託がおすすめ。S&P500に連動するインデックス型投信などを毎月購入すれば、少額から米国経済全体の成長に投資することができます。

トク 「ほったらかし投資」には投信のほうがいいんだニャ。

篠 そうですね。ETFの場合、市場でリアルタイム売買できることから、積み立てではなく、スポットでの購入が基本となります(*2)。また、海外の取引所に上場しているETFは、米国ならドルなど現地通貨での取引になるため、購入時や売却時の為替レートに留意が必要。手持ちの外貨を使えるので、外貨預金の満期金など「塩漬け」状態の外貨を有効活用するために海外のETFを購入するという人もいらっしゃいますよ。

*2 自動積み立て投資ができるかは、証券会社によって異なる

イラスト おおの麻里

トク 米国株ETFの銘柄を投資の目的別に知りたいニャ!

篠 米国市場全体に投資したいなら「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」、分配金を重視するなら(*3)「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」などが代表的。また、国内株ETFとは異なり、米国株ETFは「アクティブ型(積極運用型)」の運用が認可されているのも特徴。ESG銘柄で運用する「iシェアーズMSCI米国ESGセレクトETF(SUSA)」や革新的な企業を組み入れた「Direxionデイリー ムーンショット・イノベーターズETF(MOON)」など、テーマ型の銘柄も米国ETFならでは。ただし、取り扱いは一部のネット証券のみなので、ご注意くださいね。

*3 ETFは投信のように分配金を自動で再投資できない。分配金を再投資して「複利の効果」を享受するなら一般的な投信、分配金を受け取りたいならETFと使い分けよう

この人に聞きました

篠田尚子さん
楽天証券経済研究所ファンドアナリスト。国内銀行、投信評価機関などを経て現職。投信の専門家として幅広いメディアで活躍。近著に『貯金も節約もできない人でもお金が増える方法』(かんき出版)。

(取材・文 澤田聡子、イラスト おおの麻里)

[日経ウーマン 2022年2月号の記事を再構成]

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