子のクレジットカードデビュー 練習にデビットカード子どものお金

2021/11/3
クレカデビューも含め、お金にまつわることは成人前からしっかり教えておきたい(写真はイメージ=PIXTA)

2022年4月、民法改正で約140年ぶりに「成人」の定義が見直され、現在の20歳から18歳に引き下げられます。成人となると、親(親権者)の同意がなくても原則1人で様々な契約行為ができるようになります。例えば、携帯電話、賃貸物件、クレジットカードの作成などです。

自分の意思でできるようになることが増えるのは、我が子の成長という目線では喜ばしいことも。ただし、「成人」の定義が引き下げられたといっても、その年齢の子どもの判断力が急に向上するわけではありません。

お金にまつわることであれば、自らやりくりをこなし自立できるように、情報リテラシーを高めたり小遣いなどで支出管理の経験を積んだりといったことが欠かせないでしょう。今回は、お子さんがクレジットカードを上手に使い始められるようにするためのコツをお伝えしたいと思います。

キャッシュレス決済に慣れていても、無計画な利用に注意

18歳でクレジットカードを持つ--。学生用のクレジットカードを持ち、大学生活を送った記憶のある保護者の方には、珍しい話ではないかもしれません。学生用のクレジットカードは、各カード会社や大学生協などで作れます。

もっともクレジットカードを作れるといっても、成人年齢が20歳の現在であれば、19歳以下は親の同意が必須です。それが22年4月以降は18歳や19歳でも収入要件をクリアできたなら、周りにいる大人と同じようにクレジットカードを持てることになります。

いまの子どもたちは、○○Payなどでキャッシュレス決済という行為自体には慣れているかもしれません。それでも、クレジットカードの利用にあたっては、無計画な利用に十分、注意することが必要です。

クレジットカードは、サインや暗証番号による店などでの「支払い」とカード会社からの請求とにタイムラグが生じがち。その分、私たち大人にも共通することですが、自分が一定期間にお金をどれだけ使ったのか、出費の管理があいまいになりやすいからです。

仮に、子どもが収入要件などを満たしてクレジットカードを作成したとして、その利用上限額が数十万円レベルに設定されていたとしましょう。本人が知らず知らずにその上限額まで使ってしまい、支払えなかったら大変なことになります。まず、延滞など支払いができなかったことが個人信用情報機関に記録されます。その結果、新たなローンが組めなくなり、「スマートフォン(スマホ)の機種代を分割払いしようと思ったができない」となるかもしれません。そうした事態は避けたいものです。

クレカ初心者、ブランドデビットカードで練習を

我が家では、やがて来る「クレカ(クレジットカードの略)デビュー」に備えるため、子どもが16歳になったら本人用の「ブランドデビットカード」を持たせるようにしています。これはVISA、JCBといった国際的なクレジットカードのブランドがついたデビットカードのことです。

デビットカードは、銀行口座に紐(ひも)づいているカードです。ブランドデビットのほかに、銀行のJ-Debit付帯キャッシュカードが使えます。いずれの場合も、支払いをすると同時に口座からお金が引かれる即時決済となります。従って、口座の残高が利用上限額です。

なお、ブランドデビットであればクレカ番号が付いています。だから、ネットショッピングにも使えますし、○○Payに紐づけて使うこともできるというところが、おすすめポイントです。しかも現在、様々な銀行でこのようなデビットカードが発行されています。だから、簡単に子どもに持たせることができるのです。

見た目はクレジットカードと変わらないとあって、子どもはブランドデビットのカードを持つことで、少し大人になった気分にもなるようです。同時に、どう使えばいいのか、本当に自分が使っても大丈夫なのかとちょっと不安にもなるようです。ですがこのブランドデビット、クレジットカードを使い始める前の練習に、とても役立っていると感じます。

次のページ
「自分にとってのクレカの役割」、意識して使えるように