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日経 X woman

『早く絶版になってほしい #駄言辞典』(日経BP)。ジェンダーにまつわるステレオタイプから生まれる400を超える「駄言」を、エピソードとともに掲載している本書から、駄言の実例とその駄言を生んでいる背景の分析を公開。

今回は「恋愛・結婚」に関する駄言「その1」を紹介します。

「えっクリスマス一人って大丈夫?」

「25歳を過ぎた女性は売れ残りのクリスマスケーキ」という言葉を聞いたことがありますか? 「結婚適齢期」を過ぎたという意味合いです。年ごろを迎えた多くの男女が、お相手を見つけて結婚していくのが「普通だ」と思われていたころに使われた言葉です。

さて今や、結婚に関する考え方は大きく変化しています。さまざまな社会変化を背景に、日本では単独世帯が増えています。『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)によると、2040年には独身者が国民(15歳以上)の47%にまで増える(15年では41%)と推定されています。

「結婚して子どもを持つのが普通」「結婚したほうが幸せ」という固定観念に縛られないことのほうが、これからの時代は自然になっていくかもしれません。クリスマスの夜を一人でお祝いするのだって自由。心配ご無用。余計なお世話です。

男性が結婚したい女性の父親に「お嬢さんを僕に下さい」と挨拶しに行くのは、1898年(明治31年)に制定された旧民法が規定した日本の家族制度の名残だと考えられます。当時は一家の「戸主」が権限を持ち、「戸主」の承認なしには結婚はできませんでした。しかし、今では家制度は廃止され、日本国憲法第24条に基づき、結婚したい「両性の合意」によってのみ結婚は成立するとされています。

今回集まった駄言で多かったのが、男の子を産んだ女性が義理の親から「ありがとう」と感謝されたり、女の子を産んだときに「次は男の子ね」と言われたりしたというもの。これも「家督は長男が相続する」という昔のルールに引きずられての発言でしょう。

女の子は将来結婚して別の家に移るので、男児がいなければ家が消滅してしまう――。そんな感覚を持つ人はまだいるようですが、実際は、子どもの性別にかかわらず、子どもは結婚した時点で、親の家(戸籍)からは抜け、新しい戸籍を作るのですから関係ないのです。

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