女性の政治進出、日本は先進国最低 駐日大使の解決策

2021/10/26

19日、衆院選が公示された。政党候補で女性が占める割合はおよそ18%。「2020年代の早期に指導的地位における女性が占める割合を30%に」との政府目標には遠く及ばない。日本での女性の政治参加をどう見るか。女性リーダーの活躍が進むノルウェーのインガ・ニーハマル駐日大使と英国のジュリア・ロングボトム駐日大使に聞いた。(文中敬称略)

駐日英国大使のジュリア・ロングボトム氏㊧と駐日ノルウェー大使のインガ・ニーハマル氏(東京都千代田区)
21年3月に発表された世界経済フォーラム(WEF)のジェンダーギャップ指数によれば、政治分野におけるノルウェーの順位は3位、英国は23位となった。同じ政治分野で日本は156カ国中147位。主要先進国の中で最も低い順位だった。

ニーハマル「ノルウェーでは、ジェンダー平等が長年にわたって重要な課題です。今年はノルウェーの国会に初めて女性議員が選出されてから100年。ただ、本格的な女性進出が始まったのは1970年代に入ってからで、わずか50年前のことです」

「いまでは国会議員の約45%が女性です。政党に女性候補者枠を義務づける法律はありません。しかし有権者は女性候補者を擁立せず、女性を代表しない党には投票しないでしょう」

ロングボトム「英政府は女性の政治参加を人権と捉えています。英国は現在、下院議員に占める女性の割合が34%と過去最高です。今年のジェンダーギャップ指数で、政治における順位は下がってしまったのですが、他国が進歩していることの表れでもあります」

ニーハマル「日本がランキングを下げた理由は、他国で女性の政治進出がより進んでいるからです。教育と健康の面では、日本の女性は世界トップクラスの水準です。政治・経済の分野でも積極的な役割を果たす準備ができていることは明らかです」

ノルウェーでは81年にグロ・ハーレム・ブルントラント氏が、英国では79年にマーガレット・サッチャー氏が女性として初めての首相となった。
駐日ノルウェー大使のインガ・ニーハマル氏

ニーハマル「ブルントラント氏は医師としてキャリアを始めたとき、利用できる保育園がなかったことが政治に従事する動機を与えたと語っています。身近な問題と政治への関心が、女性の政治参加を増やすきっかけとなっています。女性自ら声を上げ、力を主張し、社会を変革しました。権力を最初から与えてくれる人はいないからです。女性の政治指導者は、他の分野でも女性のリーダーシップを刺激します」

「日本の女性らしさの概念は非常に狭いと思うことがあります。女性が多くの分野に参入し、ロールモデルになれば、さまざまな分野で女性のリーダーシップが発揮されるでしょう」

ロングボトム「英国の主要政党は女性のリーダーを迎えたことがあります。これは日本との大きな違いだと思います。女性の候補者がいなければ、人々は女性に投票できません。政党の役割は非常に重要です。英国では政党の自主的な取り組みで女性議員が増えてきたといえます」