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出雲充 ユーグレナ社長

出雲充 ユーグレナ社長

現在、多くの企業がダイバーシティー(多様性)経営に取り組んでいます。性別や年齢、人種、ライフスタイル、障害の有無など人材の多様性を認めながら一人ひとりが能力を最大限発揮できるよう機会を提供し、イノベーション(革新)や価値創造につなげていこうという考え方です。一般的には女性や外国人、LGBT(性的少数者)に対する差別解消や活躍推進が注目されますが、今回は年齢の多様性について、ユーグレナ社長の出雲充氏に語ってもらいました。

(1)イノベーションに実績などない 出資求め501社回る

(2)ベンチャーこそSDGsの担い手 2025年に価値観が大転換

ユーグレナには現在、CFOというポジションがあります。「チーフ・ファイナンシャル・オフィサー(最高財務責任者)でしょ。それだったら、うちの会社にもいるよ」と思う方も多いでしょう。でも当社のCFOは「チーフ・フューチャー・オフィサー」。日本語では「最高未来責任者」です。

若者の意見を受け止めない意思決定は駄目

そのCFOを務めるのは10代の若者です。2019年10月、500人を超える応募の中から初代CFOに選ばれたのは02年生まれで当時17歳の高校生だった小沢杏子さん。20年10月には当時15歳の中学生、川崎レナさんが2代目CFOに就きました。CFOが担うのは会社と未来を変えるための全て。具体的には「ユーグレナFutureサミット」を運営しながら、サステナブル(持続可能)な会社と社会を作るためのアクションや達成目標を策定してもらいます。CFOと共に議論をしてくれるFutureサミットのメンバーは初代が8人、2代目は5人で、就任時点で全員が18歳以下でした。CFOはたまたま女性が続きましたが、サミットメンバーは男女ともいます。

なぜ彼女ら彼らに会社の将来に関わる重要な役割を担ってもらうのか。それは我々よりもこの世代が未来をより長く生きるからです。地球環境や社会のあり方が今より悪くなって本当に困る当事者は子どもたちです。そういう若い世代の意見を受け止めることなく、従来のように私と同世代の30代から40代、それより上の人間だけで意思決定をしていては駄目だと考えました。

多くの企業がダイバーシティー経営に取り組むのは、イノベーションを起こすためです。当社ではイノベーションだけでなく、コーポーレートトランスフォーメーション(CX)、つまり企業の根幹からの変革を目指しています。現在の延長線上にない全く新しいことをするには、全く新しい発想をする人が必要です。当社は女性に関しては「リケジョ(理系女子)」の活躍も進んでいますし、経団連が目標とする「役員の3割以上を女性に」という基準もすでにクリアしているので、その努力は継続しつつ、一気に年齢のダイバーシティーを広げようと決断しました。

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