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「女性から管理職を出す」という方針自体は正しい。でも、すべきことはそれだけではありません

「女性から管理職を出す」という方針自体は正しい。でも、すべきことはそれだけではありません

日経 X woman

『早く絶版になってほしい #駄言辞典』(日経BP)。ジェンダーにまつわるステレオタイプから生まれる400を超える「駄言」を、エピソードとともに掲載している本書から、駄言の実例とその駄言を生んでいる背景の分析を公開。今回は「キャリア・仕事能力」に関する駄言と、要因「その3」を紹介します。

「女性から管理職出さないとなッ」

日本政府は2003年に「20年までに指導的地位に女性が占める割合を30%にする」という目標、通称「2030(ニイマルサンマル)」を打ち出しました。しかし、残念ながら20年7月にこの目標の達成は見送られ、代わりに「20年代の可能な限り早期」での達成を目指すという方針が示されました。

20年7月の帝国データバンク調査を見ると、女性管理職割合の平均は、たったの7.8%にとどまっています。政府目標の「30%」を超える企業は7.5%と微増しているものの、目標からは依然としてはるか遠い地点にいるのが現状です。

ここでいま一度確認すべきことは、女性管理職割合の目標を達成するために、能力を度外視して「女性を管理職にすればいい」わけではないということ。

性別に関係なく、個々の社員の能力を伸ばし、最適な人材を管理職に任命したら、それがたまたま女性だった……というのが理想です。

一方で、経営者や管理職の人たちに話を聞くと、「男性は自分の実績を上司にプレゼンするのが得意な傾向がある」「女性は自分の能力を実際よりも低く評価しがちである」「現在の管理職に男性が多いため、企業や管理職が強く意識しなければ、女性を管理職に、という発想が生まれにくい」といった指摘もあります。日本企業でも、役員など主要ポジションの一定割合を女性に割り当てる「クオータ制」を導入すべきだという専門家もいます。今後の動きに要注目です。

駄言の実例「女性活躍推進」

【「キャリア・仕事能力」に関する駄言~その3~】


書籍『#駄言辞典』にも掲載されている、公募で集まった「駄言」の一部を紹介します。以下、太字部分が駄言です。応募時に寄せられたコメントや投稿先も併せて掲載します。

「女性管理職」
管理職という言葉には「男性」という意味でもあるのかな?(ツイッターより)

「女性が活躍する社会」
分かってなさそうな人が軽々しく使うのを聞くと「おまえが言うな」と思う。(ツイッターより)

「女性活躍推進」
この方針が掲げられるうちは、まだまだ古い体質の会社だなぁと思ってる。(ツイッターより)

「今は女性だったら全員管理職になれる時代ですからね」
って言っている入社5年目がいた。(ツイッターより)

「『女性』の管理職なんだからさ」
「男性の管理職を立てたり、女性らしい意見を出してよ」という意味。(ツイッターより)

「年下の女の上司の部下になることが、男にとってどんなに屈辱的か分かりますか?」
年上の男性部下から雑談中に唐突に言われた。(東京都・爆睡熊子・50代・女性)

「あなたって会社で案外女扱いされてるのね。私はいつも男扱いされるから、女性差別されたことなんてないわ」
女同士で、過去に上司から女性蔑視の扱いを受けた話をしたときに、相手の女性から言われた。彼女は決して男性とけんかしない仕事の仕方をする人。(東京都・爆睡熊子・50代・女性)

「女性に頼まれたら断れないなあ~」
誰に頼まれても断らないでください。それがあなたの職務ですよ。(ツイッターより)

「企画書の承認もらえました」
「えー、あの役員やっぱり女性に甘いんだな~」
男性上司に言われた。まともな企画書だからだよ。(ツイッターより)

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