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日経 X woman

専業主婦を経て47歳で再就職、時給から月給への転身、離婚、コロナ失業、60代での転職で外資系ホテルの日本法人の社長に……。どんな状況になっても後悔したことがない薄井シンシアさん。日経xwomanの講演やセミナーでも大反響だった、シンシアさんの「決断力」が、1冊の本『人生は、もっと、自分で決めていい』(日経BP)になりました。その中から「選択肢の捨て方」について紹介します。

◇    ◇     ◇

人生は、考えて、決断し、実行することで、自分が手綱をしっかり握れるのだと感じています。そのための最初のステップとして、自分と向き合って自分の価値観を知り、自分の限界を受け止めてから、強みと弱みを仕分ける。私はいつも、そうしています。

ここでは、自分が選びうる選択肢を並べ、そのなかから絞り込んで決めるまでの過程について、少しお話しします。

60代での転職に成功した薄井シンシアさん

60代での転職に成功した薄井シンシアさん

いつも中心に「私」を置いて考える

それは、自分の内側をのぞき込むかのような主観的な視点ではなく、客観的に自分を見つめる作業です。自分を大きな円の中に置いて、それを外から見るようなイメージ。私はいつもこのイメージを頭の中に描いています。

すると、自分と自分の置かれた状況を観察できるようになるのです。 さて、あなたが今やってみたいと思っていることは何でしょうか。何でも構いません。ちょっと一緒に考えてみましょう。

例えば、子育て中の人で「転職したい」という気持ちがあるとき、その理由を考えます。「子どもの教育費捻出のために収入を増やしたい」のか「もっと自分の適性や能力を生かせる仕事がしたい」のか「子どもに手がかかるので、制度の整った両立しやすい会社に行きたい」のか。

このすべてをかなえるには、給料が高くて、適性や能力が生かせて、子育てしやすい環境が整った会社に転職できればよいけれど、そんな会社にはたくさん応募が殺到するはず。誰もが手に入れるのは難しい。

では、すべてを満たすことが難しい場合、現実的な話として、自分は何を優先させるのかを考えます。

なぜ他の選択肢を捨てた?

◆ 今よりも収入が増やせるA社
◆ あなたの適性や能力を生かせるB社
◆ 子育てしやすい環境が整ったC社

実際はこれほど単純な選択肢ではないと思うのですが、一つしか選べないシチュエーションはよくありますよね。もし、あなたが収入アップを何よりも優先させるなら、選ぶべきはA社。そして、BとCの選択肢は潔く捨てていい。実はここが大きなポイントだと思っています。

他の選択肢を捨ててしまえば、ムダなことを考えたり、夢を見たりしなくても済みます。選択肢を絞るメリットって、ここにあるんですよね。選べない選択肢は、あなたにとってはただのゴミ。へたに持ち続けると重い荷物になるだけ。決めたら潔く手放す、に限るんです。

でも実際は、選ばなかった可能性のほうに思いをはせて立ち止まってしまうことがあります。その時間が、すごくもったいない。可能性を考えるのはとてもいいことです。でも、本当にかなえたいなら、少しでも変わりたいなら、私たちは、夢や幻ではなく、現実的な選択肢を真剣に考えることも大事なのではないかと思うのです。

選択するとは、捨てることでもある。何かを選ぶためには、それ以外を捨てる判断をしないといけない。そう、思っています。

全部を選んで実現させるって、現実的に考えて難しいからね

全部を選んで実現させるって、現実的に考えて難しいからね

「でも、そんなに簡単に捨てられないよ」「それができたらラクだけどね……」という人もたくさんいるでしょう。

何を、どんな順番で、捨てるのか。普段、私が意識していることがあります。

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