牛乳キャップの賭けで気付いた「市場経済の面白さ」

――竹本さんは一見、金融、コンサル、スタートアップと、やりたいことがバラバラでも、実は「市場経済の面白さの中心にいたい」というブレない軸が根本にあったので、結果として一貫したキャリアが形成できたんですね。キャリアの背景にある「市場経済の面白さの中心にいたい」というパッション(志)はどこから来たのでしょうか。

竹本氏 小学生の頃に兄の中学校の文化祭に行き、出し物のルーレットが面白くて。自分の小学校にルーレットを持ち込んだんです。そうしたらはやったんですよ。そのときは給食に出る牛乳のキャップを賭けて遊んでいたんですけど、牛乳キャップがなくなった同級生が友達に牛乳キャップを売ってくれと持ち掛ける出来事が起きたんです。これがきっかけでルーレットは禁止されてしまいましたが、何の価値もなかった牛乳キャップが価値を持つのを見て、これは面白いと思ったんです。

――「市場経済の面白さの中心にいたい」という根っこから、投資家や経営コンサル、スタートアップといったやりたいことのツリー(図表2)が育っていったんですね。多くの人の職業選択の理由になっている報酬ですが、竹本さんにとっては職業選択の軸にならなかったのでしょうか。

竹本氏 実は転職するたびに、最初の給与は下がったんです。ゴールドマン・サックスを辞め、A.T. カーニーに入ったときに未経験ということで年収は半分以下になっています。昇進してすぐに元の水準に戻ったんですが。次にスタートアップに参画したときは過去最低を記録しました。

――その経験から「お金は転職の幅を狭める制約条件」だと気付いたのですね。

竹本氏 自分の生活水準をいったん上げると、誰でもその水準を下げたくないと思います。生活水準というのは自分のやりたいことの軸とは違い、後から付け加えられた制約条件です。こうしたしがらみから自由にならないと、違う苦しみを味わいます。「収入を下げたくない」「労働時間を減らしたい」といった軸から離れた別のしがらみでキャリアを選択し、モヤモヤし続ける。そんな同僚をたくさん見ました。制約なく後悔をしないキャリアを今後も選択していきたいと思っています。

「創造と変革のリーダー」らしいキャリア形成に5つの特徴

いかがでしたでしょうか。竹本さんのキャリア選択を振り返ると、以下のような特徴(図表3)がありました。

いずれも世の中の多くの人とは異なる仕事の選び方をしていることが分かります。転職サイトに並ぶたくさんの募集要項を眺めていると、とかく条件の比較で選びがちです。ブレない自分の軸は何か。自分自身に問いかけてみることが大事かもしれません。

滝健太郎
東京大学経済学部卒。生まれてこのかた日本は低成長で、バブル時代を知らない世代。A.T.カーニーのリーダーシップグループの一員として「日本の課題解決先進国化」に挑む。「創造と変革のリーダー輩出」のための社内の各種キャリア形成セミナーを主催。

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