2021/9/25

コロナ禍で助かるはずの命が助からず、失業で貧困に陥る人が増えるなど、貧しい国の問題だと思われていたことが日本中で起こっている。今は海外のことなど考える余裕がない人もいるだろう。だがこんな時だからこそ国境を越えて助け合う気持ちを持ちたい。

ジェンダーの問題一つとっても、世界には女性というだけで教育を受けられない、10歳で見知らぬ男性と結婚させられる、婚姻拒否などを理由に父や兄など男性の家族から殺されるといった、言語に絶する扱いを受ける女性がいる。コロナ禍の困窮やロックダウンで状況は深刻化している。

日本の主要メディアの国際報道は米中関係やアフガニスタン、ミャンマーなどが中心で、世界中の状況を知るにはインターネットや欧米メディアに頼るしかない。貪欲に情報を求め、世界の人々への想像力を養いたい。ダイバーシティは多様な人たちと共感し、連帯するところから始まる。

児玉治美
アジア開発銀行(ADB)駐日代表。国際基督教大学修士課程修了。国際協力NGOジョイセフにて東京本部やバハマに勤務した後、2001年から国連人口基金のニューヨーク本部に勤務。08年からADBマニラ本部に勤務。19年5月から現職。途上国の子どもを支援するプラン・インターナショナル・ジャパン評議員。

[日本経済新聞朝刊2021年9月20日付]