脚光浴びるNFT コンテンツ大国日本の強みとなるか『NFTの教科書』

最近よく耳にする非代替性トークン(NFT)というワード。ビットコインやイーサリアムといった暗号資産(仮想通貨)のようなものというイメージはあるが、今ひとつピンとこないのが実情ではないだろうか。

本書『NFTの教科書』は、NFTに関する基礎的な知識から、最近のマーケットプレイスの動向や課題、法律面や今後の可能性までを網羅的に学べる一冊だ。執筆を担当したのは、デジタルアートやメタバース(仮想空間)、金融規制など各分野の最前線で活躍する28人。編著者は、コインチェックテクノロジーズ(東京・渋谷)の代表取締役を務める天羽健介氏と、日本暗号資産ビジネス協会NFT部会の法律顧問である増田雅史氏だ。

NFTでコンテンツの流通が変わる

NFTとは「Non-Fungible Token」の頭文字を並べたもの。ブロックチェーン技術を使いデジタル資産を唯一無二と証明する鑑定書の役割を果たす。本書では、わかりやすく「世界にひとつだけのデジタル資産」と説明がある。

ビットコインもデジタル資産だが、Aさんが持つビットコインもBさんが持つビットコインも価値は同じだ。一方、NFTには個別の識別サインが記録されている。つまり、AさんのNFTは唯一無二のもので、Bさんのものと入れ替えることはできない。なお、NFTはブロックチェーン技術のおかげで改ざんやコピーはできないが、価値を簡単に送付・移転でき、取引の経過を追跡・閲覧することが可能だ。

こうした特徴を踏まえて期待されるのが、NFTのIP(知的財産)ビジネスへの活用だ。筆者らはNFTがコンテンツや権利の流通革命を起こすと予測する。アート作品、音楽、キャラクターなど著作権の発生するあらゆるデジタルコンテンツは、NFT化によって唯一無二の希少性を担保できる。わかりやすくいえば、人気アニメのワンシーンの動画を数量限定でNFT化すれば、それを買ったファンやコレクターは、そのシーンを自分のものとして所有できる。ゲームで獲得したアイテム、メタバース内でアバターが着る服など、あらゆるデジタルコンテンツは、NFT化によって、資産として取引可能になる。

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NFTはコンテンツ大国の日本向き