SKY-HI 「BE:FIRST」が強い信頼関係を築いている理由連載 SKY-HI「Be myself, for ourselves」(18)

日経エンタテインメント!

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今回も、過去の取材を当時は記事化できなかったエピソードを交えて再編成していく。インタビューは5月下旬、ちょうど富士山合宿の1つ目の課題「クリエイティブ審査」が放映され、ようやく「THE FIRST」がTwitterのトレンドに入った頃。SKY-HIは「反響があって本当に良かった。クリエイティブ審査を放映しても反響がなかったら、このプロジェクトそのものを見直さなくてはいけないのではないかと考えていたので」と胸をなでおろしていた。[「BE:FIRST」や「THE FIRST」についてはこちら

SKY-HI(日高光啓)は新しいボーイズグループ結成のためにオーディション「THE FIRST」を開催した(写真:上野裕二)

富士山合宿前の3次審査ではSKY-HI自らがリーダーを指名したが、合宿のクリエイティブ審査では特に指名せず、各チームそれぞれにおのずと“リーダー的な役割の人”が生まれた。インタビュー時点で放映されていたのは、Team A。LEO(現BE:FIRST)がチームを引っ張る姿が目立っていた。ここで気になったのが、デビューグループを考えるうえで“リーダー適性”も審査の対象としているのか。しかし、話を聞くうちに浮き彫りになったのはもっと奥深い話だった。

SKY-HIはプロジェクト成功の必須要件として「合宿メンバーが仲間との関係性を自然に培っていく環境」を挙げ、人と人との間に生まれる「信頼」や「尊重」を非常に重視していた。その成果は今、デビューグループ「BE:FIRST」に強く表れている。

「現段階(5月時点)では、誰がリーダー的な立ち位置にふさわしいかなどは一切考えていませんね。チーム分けの際に、ある程度意識するところもありますし、最終的なデビューグループを決める際には、リーダーを指名するかどうかはともかく、チーム内で担うそれぞれの立ち位置は当然考えるべきだとは思いますけれども。

役割って、状況によって変わるものだと思うんです。LEOは実際のきょうだいの中では末っ子。クリエイティブ審査では兄貴っぽい感じを出していましたが、性格的にはどちらかというと弟っぽい要素が強いかもしれません。オフシーンでは『甘えん坊だな』と思うところはありますし……今、僕に対して一番甘えてくれているのはLEOかも(笑)。人懐っこい性格なんです。それでも、彼がクリエイティブ審査の中でリーダー的な立ち位置を担ったのは、彼自身が『自分が一番年上』『自分が今、他のメンバーより全体を俯瞰(ふかん)できている』と感じたからでしょう。実際に彼がTeam Aを引っ張ったことが功を奏した感がありますし、彼自身にリーダーの適性はあるのでしょうね。(編集部注:現在、『BE:FIRST』は特定のリーダーを置かない形式を取っている)

でも、リーダーの適性に、年齢はあまり関係ないとも思います。合宿前に行った3次審査で、僕は14歳のRYUHEI(現BE:FIRST)をリーダーに指名しました。理由は単純で、2次審査で見た彼の歌唱とダンスの才能が圧倒的だったからです。けれども、集団になったときにそれが発揮されるのかは未知数。そこを見たかった。3次審査でリーダーを担ったRYUHEIは、かなり年上のメンバーにも躊躇(ちゅうちょ)せずに指示を出す姿勢が見られたので、大丈夫だなと感じました。でも、17歳(現在18歳)のSHUNTO(現BE:FIRST)は、13~14歳のメンバーよりだいぶ年上のはずなのですが、性格的には甘えん坊な“年下感”があるように思いますし(笑)。本当に年齢は関係ないんだなと。

今後は審査ごとにチーム分けも変わっていきます。状況や周りの人との関係性によって、誰がどんな役割を担うのかも、その都度変わってくるんだと思います」

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「心から尊重し合える関係性」を構築できる環境づくり