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脳にみるみる定着する学び方とは?(写真はイメージ=PIXTA)

脳にみるみる定着する学び方とは?(写真はイメージ=PIXTA)

日経ウーマン

最近、勉強がはかどらない……と感じている人は、学び方が間違っているのかも!? 脳の仕組みを知り、ちょっと工夫するだけで、記憶の定着力は高められます。全米トップ校のスタンフォード大学オンラインハイスクール校長、星友啓さんによる、最新の脳科学に基づく効果的な勉強法をご紹介!

◇    ◇    ◇

年齢とともに記憶力が低下し、勉強を続ける自信がない人も多いのでは? だが、「脳科学や心理学による学び方の研究が進み、脳が老化しても勉強の仕方次第で知識を増やせることが分かってきました」と星さんは話す。「脳の仕組みを理解し、科学的根拠がある勉強法を試すのが記憶力アップの近道」と言う。まず、最新科学に基づく脳の仕組みや加齢との関係性を学ぼう。

20代以降、学びに重要な脳の前頭葉や海馬などは縮小し、情報処理スピードや長期・短期記憶力が徐々に下がり、加齢による脳の老化は否めない。だが、年齢に関係なく、学ぶたびに数百万という脳の神経細胞のニューロンが変化し続け、知識量は80代まで増やせることが分かってきた。さらに、若いときは左脳が処理していたことを、加齢とともに右脳にも頼りながら処理することも。「つまり、脳の衰えを補うように、脳の使い方がよりエコに変化する。脳は何歳でも学んだことが身に付くようにできているのです」。

では、勉強に欠かせない記憶力を最大限に生かす方法は? 記憶で重要な機能が「ワーキングメモリ」と「長期記憶」。ワーキングメモリとは、学んだ内容を意識的に脳にとどめ、整理したりする脳の機能。ワーキングメモリは鍛えられないので、最大限に生かすことがポイント。

また、講義などの風景の記憶はいったん脳の海馬に蓄積され、睡眠中に脳に変化が起こり、長期記憶として残る。もちろんすべての記憶が脳に定着しないので、確実に長期記憶にするための学習法が大事。その代表例が「テスト」や「繰り返し思い出す」こと。「それらの要素が入った上記の勉強法を、できる範囲で習慣化しましょう。また、学んだことを間違えたときこそチャンス。脳が最も活性化され、長期記憶になりやすい。"脳が学ぶ最高のチャンス"と意識するだけでも脳は活性化するので、ぜひ前向きに学びましょう」。

年齢を重ねても学び続ける人の脳はこう変わる

脳のニューロンは学ぶことで活性化する

何歳になっても、学ぶたびに脳のニューロンが活性化して、新しい神経回路が生まれる。これを脳の「可塑(かそ)性」と呼ぶ。

知識を増やす力は80代まで上昇する

情報処理スピードや記憶力は年齢とともに低下するが、全体的な知識の量は80代まで増やすことができる。

より活発に活動し、新しい脳細胞ができる

脳の前頭葉は、年齢とともにより活発に活動し、記憶の定着に重要な脳の海馬では、新しい細胞ができる。

左脳だけでなく、右脳も使って処理する

若い頃は左脳だけで処理していたことでも、年齢とともに右脳も使って処理するように脳の使い方が変化する。

あなたのその記憶法、効果は限定的かも!?

「よくある勉強法には、効果が限定的なものも」(星さん)。米国の脳科学者と心理学者が科学的根拠から評価した、注意したほうがいい勉強法と、最も脳に記憶されやすい勉強法を聞きました。

重要なポイントをノートにまとめる

まとめる力が高い人や学んだ分野が得意な人には有効。理解が不十分なまままとめても、勉強した気にはなるが、記憶されていない可能性大。

ポイントに線を引く

大きな学習効果が得られる科学的根拠はなし。線を引いた場所に、考えやまとめを書き込めば、ある程度学習効果は期待できる。

語呂合わせやキーワードで覚える

短期的な記憶の効果は期待できるものの、意外にも長期的な記憶の定着に効果が出にくい。他の勉強法との併用がおすすめ。

学んだら頭のなかで画像や動画でイメージ

学んだ理論が仕事の現場などでイメージしやすければ効果あり。抽象的な哲学や、応用したり、理解を深めたい場合は効果を上げにくい。

テキストなどを繰り返し読み直す

読み直しは2回目から効果が激減。矢継ぎ早に繰り返さず、数日程度の間隔を空けて読み直す場合は記憶する効果はあるが、応用力は上がらない。

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最も効果的な記憶法は「リトリーバル」と「インターバル」の2つ。学んだことをノートやテキストを使わずに思い出して言葉にする「リトリーバル」と一度学んだことをしばらく時間を空けて勉強し直す「インターバル」。この2つの記憶法を踏まえた、実践的な勉強方法を大公開。

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