2021/10/21

「時間簿」を1週間つけ、朝時間でじっくり分析

では、具体的にどうやって分析するかを解説します。

表計算ソフトなど使いやすいツールを使い、自分が何に、どのくらい時間をかけているかを15分単位で、1週間分だけでいいので日記のように毎日記録していきましょう。筆者は次のようなシート(上は全体、下は部分拡大)を活用しています。業務時間だけでなく、プライベートの時間も記述します。

これはかなり面倒な作業なので、1週間だけで構いません。その代わり、「1週間分は徹底的に!」と決めて書いていきましょう。あとでまとめて書こうと思うと面倒くさくなったり、何をしたか忘れるので、印刷して持ち歩いたり、クラウド(インターネットなどのネットワークを経由して利用するサービス)におき、その都度書くようにしましょう。

書く作業は淡々と行い、振り返って「なんて無駄なことをしていたんだろう」などと、自分の行動をジャッジしないことも大切です。このシートを記入する1週間は、無理に早起きにチャレンジする必要もありません。あくまでも淡々と、今の自分の日々の行動を記録していきます。

1週間毎日記録し続けたら、朝の時間でこの1週間分の「時間簿」シートを眺め、何に時間がかかっているか、どこが問題かを分析していきましょう。

「仕事が終わらない」理由を時間簿であぶり出す

筆者が主宰する「攻めの朝活」コミュニティー「朝キャリ」メンバーの公務員、山田じゅんこさん(仮名)は、仕事が全く終わらず、寝る時間以外はずっと仕事をしている状況に悩んでいました。上司からも、「仕事が緻密で責任感があるのは評価できるが、残業が多すぎる」と、注意されるほどでした。以前の仕事はやりがいもあり、1日中仕事をしても飽きなかったため仕事量の多さを自分では問題視していませんでした。しかし、部署が異動になったことをきっかけに、「そろそろ自分の人生も考えたい」「仕事人間はもう限界!」と思うようになりました。

そこで、先ほど紹介した方法で時間簿を1週間つけることにしました。時間簿記入で気づいたのは次のようなことでした。

1. 自分の予定の見積もりが甘く、実力の5倍くらいやるつもりでいることがわかった

2. 責任感があるあまり、部下に任せるべき仕事まで抱え込んでいた

3. いつまでに、何をやりたいのかが、作業をしているうちに途中から分からなくなってしまうため、細部までこだわり時間がかかった

4. 休日も、読書など最初は「やりたいこと」だったはずが「やらなくてはならないこと」になり、着手できずに、ソファでうだうだすることになってしまった

特に、2の「部下に任せるべき仕事を抱え込む」ことが大きな問題だと気づき、任せることを意識することにしました。具体的には

1. 目的(なんのためにやるか)
2. ゴール(どんな状態になればOKか)
3. デッドライン(いつまでにやればOKか)

を意識し、仕事を任せることにチャレンジしてみました。まだ今までのクセで自分の出来上がりのイメージに固執してしまい、うまく任せきれていないのは悩みですが、試行錯誤するための基準ができたこと、出来上がりのイメージを言語化し伝える能力を伸ばす必要があることに気づいたのは収穫でした。

「メタ認知」という言葉があります。脳科学分野の約1000個の用語を解説するサイト「脳科学辞典」(注)によると、メタ認知とは「自己の認知活動(知覚、情動、記憶、思考など)を客観的に捉え評価した上で制御すること」を言うそうです。

(注)中山 遼平、四本 裕子 メタ認知 https://bsd.neuroinf.jp/wiki/メタ認知(サイトの最終更新2014年)より

感情や思い込みからいったん離れて、ちょっと上から自分自身を見つめる「メタ認知タイム」を朝の時間につくってみましょう。悩みの解決策が見つかりますよ!

池田千恵
朝6時 代表取締役。国家資格キャリアコンサルタント。慶応義塾大学卒業。外食企業、外資系企業を経て現職。企業の働き方改革、生産性向上の仕組みを構築しているほか、個人に向けては朝活で今後の人生戦略を立てるコミュニティー「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。12年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。