名瀬さん「途上国は温暖化対策に消極的と聞きます」

温暖化で激化が予想される豪雨や高潮などの被害は、備えが薄い島しょ国や途上国で大きくなりがちです。先進国が長年、出し続けてきた温暖化ガスによって被害を受け、巨額の対策費も求められるのは公平さを欠くという声が途上国にはあります。

09年のCOP15で、先進国は20年までに年1千億ドル(約11兆1千億円)の途上国支援をめざすことで合意しましたが、いまも目標額とは隔たりがあります。約束が守られなければ、温暖化対策を加速できないというのが途上国の本音です。

バイデン米大統領は国連総会で支援額の倍増を表明しました。日本も増額を求められています。先進国がどれだけ支援額を増やせるかは、COP26の成否を左右する大きな要素です。ただ、新型コロナウイルスにより経済的打撃を受けているだけに、上積みは容易ではありません。

日比くん「決裂の恐れはあるのでしょうか」

20年末にEUを離脱した英国は、COP26を成功させて存在感を示そうと必死です。米国はトランプ前政権下で離脱したパリ協定に戻り、中国も気候対策で世界をリードする構えです。決裂はどの国にもマイナスで、温暖化ガスの削減を加速する何らかのメッセージは出すでしょう。

若者が対策強化や公平性を求め、各国で声を上げているのは新しい動きです。当初はスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんに触発された一部の人たちの運動にとどまっていましたが、裾野は着実に広がっています。

ちょっとウンチク

「巨大イベント」に批判も

COPは参加国が多いため開催規模も非常に大きい。会期は2週間と長く、気候変動への関心が高まるにつれて参加者は増えている。政府代表団や非政府組織(NGO)メンバー、産業界代表、専門家ら3万人近くが集まる巨大イベントだ。

会場の設営や道路整備、入場整理といった臨時の雇用を生む。観光などの経済効果も大きいという。一方、空調の利いた大会場で延々と温暖化対策を議論してエネルギーを大量消費するのはいかがなものか、との指摘もある。いずれ規模の縮小や開催頻度の見直しが検討課題になるかもしれない。(編集委員 安藤淳)

■ニッキィとは
 日本経済新聞を日ごろからよく読んでいる女性読者の愛称として「ニッキィ」が生まれましたが、新たに2代目のニッキィとして人工知能(AI)を活用したバーチャルなキャラクターが誕生しました。日本経済新聞社の研究開発組織、日経イノベーション・ラボがスタートアップ企業のデータグリッド(京都市)の協力を得て、日経の若手社員の顔写真をAIに学習させ作成しました。
「なぜこんなことが起きているの」といった疑問、好奇心をもとに、2人がベテラン記者に質問していきます。

[日本経済新聞夕刊 2021年10月11日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。

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