FP・社労士・簿記… キャリアに役立つ資格はどれ?

日経ウーマン

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ファイナンシャルプランナー(FP)や社会保険労務士(社労士)、キャリアコンサルタントなど、日経WOMAN読者も目指す人が多かった「資格」の取得。仕事に役立つ資格や転職に強い資格は何なのか、資格の大原 キャリア教育事業本部の村田美保さんにお聞きしました。さらに読者の声を交えて、資格を仕事に生かすコツや、効率の良い勉強法を一挙紹介します。

【FP】国家&民間資格ダブル取得が強い

社会保険、民間保険、金融商品、不動産、税金、相続の6分野で、“生活に密着した幅広いお金の知識”を身に付けることができる「FP」。国家資格である「1~3級FP技能士」と、民間資格である「AFP」「CFP」がある。CFP合格者は1級の学科が免除されるなど、受験条件も関係しているため、ダブル取得で上を目指せる。

「ファイナンシャル・プランニング技能士」
実施団体/金融財政事情研究会、日本FP協会
勉強時間の目安/3級80~150時間、
2級150~300時間、1級500~600時間
合格率の一例/3級学科約64%・実技約59%、
2級学科約23%・実技約36%、1級学科約10%・実技約88%

知っておきたい!「FP」で成功するポイント

仕事につなげたいなら2級以上を目指そう

まずは実生活での役立ち度も高い「3級」からだが、仕事で役立てようと思うなら、「2級」は最低ライン。その後、2級と同レベルの民間資格「AFP」、そして「1級」、1級と同レベルの「CFP」を目指す人が多い。

営業、人事、労務、さらに介護・福祉分野のニーズも

銀行・証券・保険などの金融関係の営業職はもちろん、「一般企業の人事・労務職でも転職に有利な資格です。さらには、介護や福祉分野で、お金を含めた生活の相談に乗る、といった生かし方もあります」。

過去問を重視するのが効率良く合格するコツ

「過去の試験問題から類似の問題が数多く出題されるので、過去問を重視する勉強が効果的」。また、得意分野ばかりを勉強する人もいるが、「苦手分野も手を抜かずに、まんべんなく勉強するのが合格のコツです」。

「社会保険労務士」との組み合わせで仕事が広がる

「FP」資格に加え「社会保険労務士」があれば、「個人の相談、企業の相談に乗ることができるため、仕事の幅が広がります」。その他、「宅地建物取引士」「行政書士」「税理士」などと一緒に取得する人も多いという。

■FP2級、活用しています!
中谷香央里さん(34歳・埼玉県・アナウンサー、ライター)

【苦労した点は?】勉強の範囲が広い点です
保険や不動産は苦労しましたが、周りの誰かに関係がある内容ばかりなので、あの人に教えてあげようと考えながら勉強しました。
【仕事の変化は?】ライターの仕事を始めることができました
副業として、お金の記事を書くライター業を始めました。資格の勉強が役に立っています。副業で月収が約1万5000円増えました。
【勉強の工夫は?】過去問を何度も解きました
似た名前や内容の制度について問う設問が多いので、過去問でよく間違える箇所をノートにまとめ、試験前は持ち歩いていました。
【受験予定の人へ…】勉強で得た知識が必ず役に立ちます
勉強内容は、仕事はもちろん、暮らしにもつながることばかり。資格の勉強をしながら自分の家計の改善もできる面白い資格です。
仕事に役立つキャリア、転職に強いキャリアはどれ?(写真はイメージ=PIXTA)

【キャリアコンサルタント】企業への派遣のニーズが増える

2016年から国家資格となった「キャリアコンサルタント」。就労支援機関・教育機関での就職相談や、企業の人事・労務部門でキャリア相談を行う専門家だ。「キャリアコンサルタントを企業に派遣し、社員のキャリア形成を助ける“セルフ・キャリアドック”を広めるという国の目標もあり、ニーズが高まっています」。

「キャリアコンサルタント」
実施団体/日本キャリア開発協会、
キャリアコンサルティング協議会
勉強時間の目安/250~300時間
合格率の一例/学科約64%・実技約64%

知っておきたい!「キャリコン」で成功するポイント

人生の経験が役立つ仕事 セカンドキャリアにぴったり

第2のキャリアとして独立・開業する人も多いキャリアコンサルタント。「フリーランスとして、70代で活躍している人も。相手の話を聞く上で、どんな企業での経験も役立つのが、この資格の魅力です」。

実技試験「ロールプレイ」の対策が合格のキモ

試験には、相談者との信頼関係の築き方や話を傾聴する姿勢を見る15分間の「ロールプレイ」があり、突破のためには、訓練が必要。「練習相手になる受験仲間を見つけたり、合格者からアドバイスをもらうことも大切です」。

国家資格は入門。その上の検定を目指す人も

「国家資格のキャリアコンサルタントは、“入門編”として位置づけられており、他の資格でいう3級。3~5年の経験を積むと技能検定(国家検定)である2級の受験資格が得られ、さらに3~10年で1級の受験資格が得られます」。

■キャリアコンサルタント、活用しています!
中山しおりさん(31歳・東京都・IT・人事)

【取得理由は?】社内の面談に加え、ボランティアもしたい
人事面談で、初対面の社員からも安心して相談してもらうために、取得しました。将来は地域で面談のボランティア活動もしたいです。
【仕事の変化は?】中堅社員の面談も担当できるように
資格取得により面談で対応できるジャンルに広がりが出たため、若年層社員に加え、中堅社員の面談も担当できるようになりました。
【勉強の工夫は?】YouTube動画を活用しました
毎日、YouTubeで問題集の動画を3本視聴。動画は短いものなら3本で15分程度のため、朝ごはんの準備中や入浴中も見ました。
【知識は役立った?】得た知識を使って研修を企画。昇格も
現在の時代背景を反映した研修企画を立案。それが若年層社員の離職率低減につながったことで評価を得て、昇格しました。

【簿記】仕事の理解度やプレゼン力もアップ

企業のお金の計算・記録方法、財務諸表の読み方を学ぶ「簿記」。「経済ニュース記事に出てくる用語も多いため、最近では、経理に限らず、“すべてのビジネスパーソンが備えるべき基礎知識”という認識が広まっています。資金の流れや会社が利益を生み出す仕組みが分かることで仕事への理解度が上がったり、プレゼン力がアップしたり。仕事が楽しくなるでしょう」。

「日商簿記」
実施団体/日本商工会議所
勉強時間の目安/3級70~80時間、2級250~300時間、
1級500~700時間
合格率/3級約50%、2級約20%、1級約10%

知っておきたい!「簿記」で成功するポイント

ネット受験開始でいつでも受けやすく

2月、6月、11月に実施されている従来のペーパー試験に加え、2020年末から2級と3級のネット試験が開始され、よりチャレンジしやすい環境に。各地のテストセンターで好きな日時に受験でき、結果もその場で分かる。

人事が選ぶ“転職に優位な資格”第1位に

「簿記は、さまざまな業種の人事担当者1344人に聞いた当社調査で、転職に有利な資格第1位に選ばれた、まさに“使える”資格です。実際、経理職募集のほとんどに、簿記2級もしくは3級の条件が含まれています」

■簿記2級、活用しています!
西野ちえさん(仮名・43歳・大阪府・建設・経理)

【仕事の変化は?】経理総務の仕事を任されるように
以前は、営業事務と経理補助でしたが、簿記を取得してから経理総務担当に。任された仕事は、簿記の知識で問題なく対応できました。
【お役立ち度は?】決算書の知識を得て株式投資も始めることに
数字に強いことをアピールできるため、営業やスタートアップ企業の人にもおすすめ。決算書を読む知識が投資にも役立っています。
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【社労士】独立・開業も目指しやすい