日経ウーマン

【ケース2】百貨店で働く彼女の学び

三越伊勢丹に勤務する吉川麻子さん
吉川麻子さん(30歳)
三越伊勢丹 日本橋三越本店宝飾時計雑貨営業部
両親と3人暮らし
最近のハマりごと/Nike Run Clubアプリ、筋トレ
本館1階・6階を中心とする宝飾時計フロアで、ベテラン社員も含め、13人のメンバーを束ねている

「力不足を思い知った上海での2年間が、人事を学ぼうと思ったきっかけ」。三越伊勢丹の吉川麻子さんは、入社5年目に上海の店舗に赴任。売り上げを上げようと試行錯誤するも、仕事内容や評価に不満を募らせる現地スタッフも。

「なかなか自ら積極的な具体策を打てず、現場のやる気と経営は両輪と痛感。会社を良くするためには人事が軸になる」と、帰国後は志願して人事部へ。採用や育成を担当しつつ、本や研修プログラムで貪欲に学んだ。

人事での2年間を経て、今春、売り場に復帰。初めてマネジャーとして部下を束ねることに。学びを実践すべく面談を繰り返す。「以前の私は自分軸で考え、動いていた。今はメンバーそれぞれの異なる“幸せ”のため、いかに働きやすい職場にしていけるかを第一に考えています」。

目標は百貨店を「より楽しい場」にすること。「私たちひとりひとりが楽しく働くことで、単なる買い物の場ではない、人と人が出会い、学べ、トキメキのある百貨店にしていきたいです」。

【習慣化の秘訣】電車に乗ったら情報アプリを開く

通勤時は情報収集に集中。朝は日経電子版やNewsPicks、座れた日はビジネス書、疲れた夜はVoicyなど、状況でメディアを使い分け。SNSは見ない。

【覚えるコツ】青字でポイントをノートに手書き

重要なことは書いて覚える派。講座や本で学んだ内容は「記憶に定着しやすいと聞いた」青ペンで、要点をノートにまとめる。風呂で反復読書も。

【学びのモットー】学びは人にシェア 視点を広げる

一点集中型の性格で、俯瞰(ふかん)するのが苦手と自認しているため、学んだことは、同僚や友人に話して議論することで、知識を深め、新たな視点を得る。

仕事に直結する学びは「戦略人事」

<戦略人事>
人を生かす術を学び、職場の空気も変化

人事部で人材育成や経営について学んだのち、今春から現場でチームを率いる立場に。1on1(個人面談)を頻繁に行い、自分の本気を伝えつつ、部下の「やりたい」を引き出せるよう、腹を割って話す。徐々に変化の手応えがあり、「メンバーから『会社に来るのが楽しくなった』と言われたときはうれしかった」。また、戦略人事の講座を受講したことで、経営層の発信への理解も深まった。

友人のつてで知った「カンテラ」の講座を今年初めに2カ月間、週1で受講。講師陣は各業界の現役人事担当者
業界トレンドや経済情報を広く探るため、日経電子版は日々チェック。音声プラットフォームVoicyやグロービス学び放題はAirPodsでワイヤレス視聴
採用関連のハウツー本は人事部時代に熟読。今は、リーダーシップやチームビルディング関連の本を中心に読む

仕事に直結しないけど楽しい学びは「企業横断コミュニティー」

<企業横断コミュニティー>
熱量高めの集団で、「挑戦」の方法を学ぶ

大企業約50社の若手有志が新規事業立ち上げなどの手法を学び合い、スキームを自社に還元する「ONE JAPAN」に、19年から参加。そこで知った他社の試みを参考に、昨年、同僚数人とオンラインでの社内交流会や座談会を企画・実施。有益なフィードバックも得られた。「今まで受け身でしたが、動けば自分も周囲も変わると実感し、仕事のスタンスも変わった」。

団体が年1回開催する大規模イベントの運営に、昨年初めて立候補。大事業を進めるための手法や情熱を肌で学んだ

(取材・文 籏智優子、写真 吉澤咲子=加藤さん記事、名和真紀子=吉川さん記事)

[日経ウーマン 2021年10月号の記事を再構成]