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クラウド会計ソフトのfreee(フリー)は中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する。取引関連の書類の電子保存を義務付ける法律が施行されるなど企業の経理業務のデジタル化が進むなか、変化をどう成長につなげるのか。佐々木大輔最高経営責任者(CEO、41)は「ユーザーにとって価値があるかどうかが経営判断の軸だ」と話す。

――約650人の社員を抱える企業に成長しました。マネジメントで大切にしていることは何ですか。

「フリーは顧客にとって価値のあるサービスを提供できているかを重視しています。ですが言ったままだと忘れてしまう。そこで社員数が30人くらいになった時から、社員が共通で持つべき価値観を言語化して社内に浸透させる活動をしています」

「最初は『マジ価値(ユーザーにとって本質的な価値があると信じることをする)』といったキャッチコピーを書いたポスターをトイレに張ってみました。キャッチコピー自体は覚えてくれるのですが、意味を聞くと『もっと働けってこと?』と誤解する社員もいました。キャッチコピーだけでは浸透しないので社員で合宿をしたり、集まったりして我々の価値観について真剣に議論をしています」

「これは以前、ユーザー像を詳しく知らない私が開発に口を出せば出すほど生産性と製品が悪くなった反省があります。ユーザーにとって本当に価値のあるものを提供するには開発や営業、マーケティングなど社内が一体となって同じ価値観を実践しないといけない。そこから価値観の浸透や人材育成に多くの時間を使うようになりました」

フリーCEO 佐々木大輔氏

フリーCEO 佐々木大輔氏

――8月に本社を移転しオフィスを拡大します。在宅勤務の普及と逆行しませんか。

「事業方針を変えずにただ業務をするだけならテレワークの方が早いかもしれません。ただオンラインでの議論は社員1人1人の温度感が分かりにくい。新しいサービスの開発は毎日検証をしながら進めていくため、テレワークは効率が悪いのです。スタートアップはPDCA(計画、実行、評価、改善)を高速回転しないと生き残れません」

「移転先の東京・大崎の新オフィスは、現在と比べて約2倍の面積に拡大します。一般的なオフィスと異なり、各部屋のレイアウトを社員自身が考えます。どんなスペースにするかアイデアを募って検討している最中です。社員同士がコミュニケーションをとるきっかけになっています」

「私は人が集まるところが好きなんです。小学校から高校まで実家が学校から近く、放課後は友人が佐々木家に集まって一緒にお菓子を食べて、ゲームをしました。オフィスも楽しいから行こうと思える場所にしたいです」

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