リスキリングなぜ必要? 技量で選別、消える仕事も

DX化の流れが学び直しの必要性を高めている(写真はイメージ) =PIXTA

「学び直しとかリスキリングという言葉を最近よく聞くけど、何やら重要らしいよ」「会社員になってからも勉強なんてたいへんね。それだけ厳しい社会になっているのかしら」

リスキリングについて、バーチャルキャラクターの日比学くんと名瀬加奈さんが半沢二喜編集委員に聞きました。

日比くん「リスキリングはなぜ必要なのですか」

企業側と働き手の双方で、学び直しの重要性が高まっています。企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるためには多くのデジタル人材が必要になります。日本企業の多くはこれまで情報システムの開発をIT(情報技術)企業に任せ、社内に専門人材を育ててきませんでした。中途採用では人員確保に限界があり、既存の社員を再教育することが急務になっています。

技術革新のスピードは速く、個人が持つスキルは短期間で陳腐化してしまいます。人工知能(AI)やロボットの進化で、なくなる仕事も増えていきます。世界経済フォーラム(WEF)は2025年までに事務職や工場労働者など8500万人分の雇用が失われ、一方でデータアナリストなど9700万人分の仕事が新たに生まれると予測しています。

内閣府の調査では学び直しをした人の方が、収入が高くなるという傾向が出ています。よりよい処遇を得るためにも、学び直しは重要だと言えるでしょう。

名瀬さん「具体的にはどんなことを学ぶのですか」

日本経済新聞社が9月に実施した「社長100人アンケート」では、67.6%の企業がリスキリングを実施していると回答しています。具体的には、プログラミングや統計・データ解析、マーケティングなどが上位に並びました。

例えばキヤノンはAIやセキュリティー、クラウドなど約190の講座を設け、年間で延べ5千人超の技術者が参加しています。職種転換のために5カ月職場を離れて学ぶコースがあり、製造現場などからソフト開発者に転身した社員が多く出ています。

製造業も小売業も、現場で集まる大量のデータを分析する人材が今後ますます必要になっていくと考えられます。

日比くん「リカレント教育という言葉も聞きます」

仕事を離れて大学などで長期間学び直すことをリカレント教育と呼びます。北欧では就業と学びの期間を交互に繰り返し、より収入の高い職に転職していくという考え方が根付いています。

日本でも失業中の人が学べる講座を開く大学が徐々に増え、国も費用を支援する制度を拡充しています。大学院などで半年や1年間学べる「サバティカル休暇制度」を設ける日本企業もありますが、ごく一部にすぎません。

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