家事代行サービスを使う 遠慮せず要望・優先順伝えて

日経プラスワン

家事代行仲介のタスカジでは料理の作り置きも頼める(東京都港区)=遠藤 宏撮影

家の掃除や料理の代行サービスを頼みたいと思うことはないだろうか。興味はあるが、仕組みが分からない、他人に任せるのは……とためらう人も多い。利用の基本や心得をまとめた。

「思い切って頼んだら生活が変わった」。東京都新宿区に暮らす30代の男性会社員はこう振り返る。新型コロナウイルス禍で夫婦とも在宅勤務が増えたのを機に、食事の作り置きを代行サービスに依頼するようになった。

利用するサービスは「タスカジ」。家事を頼みたい人と引き受けたい人(ハウスキーパー)を結び付ける仲介サイトだ。利用する際はサイトに登録しているハウスキーパーから、条件に合う人を探して直接依頼・交渉する。

現在は月に1回、家族3人の1週間分の食事として10品ほどをまとめて作り置きしてもらう。料理にかかるのは3時間ほど、費用は8000円(食材分は別)だ。当初は「食事は自分たちで作るもの」という意識から、他人に任せるのに抵抗があった。コストも気になった。しかし今は「思ったよりもリーズナブル。妻も5歳の息子も気に入っている」と満足げだ。

家事代行サービスは料理や掃除、整理収納、ペットの世話など家事全般に及ぶ。得意分野を持つ専門業者もいる。近年ではタスカジのように、家事を引き受けてくれる個人を探せる仕組みも登場し、選択肢が広がってきた。

時間単位で利用でき、家事に要する時間や求めるレベルで価格が決まるケースが多いという。タスカジの場合、1回の依頼は3時間単位。単発だと、費用は1時間当たり1750円から利用可能だ。依頼したい家事や希望する地域などの条件からインターネットで検索し、絞り込める。

依頼する人も若い単身者や高齢者、子育て中の共働き世帯など幅広い。離れて暮らす両親のために子どもが依頼する例もあるそうだ。

候補は探せたが、実際に依頼するとなると、悩む人もいるだろう。タスカジ(東京・港)社長の和田幸子さんはお試し利用を勧める。「タスカジの場合、まずは3人くらいに依頼してみてほしい。どういったサービスを受けられるか、どんな性格の人が来て、相性が合うかが明確になっていく」と助言する。

業者によってはサービスの内容や評価を利用者による口コミで確認できる。タスカジでも感想などを書き込むレビュー制度を用意している。

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