コーセー・ファシオ 「自分らしさ」で20代ファン増加

2021年5月に刷新し、シンプルなデザインを採用

コーセーが展開するメーキャップブランド「ファシオ」が20代など若年層のファンを増やしている。2021年5月にブランドを刷新し、肌になじみ負担感の少ない付け心地のアイテムをそろえた。デビュー当時からの「高機能コスメ」という強みを維持しつつ、若い世代の価値観を反映したコンセプトを取り入れてブランドの躍進につなげている。




インフルエンサーと組んでブランド若返り

ファシオは2000年2月にデビューしたブランドで、「汗をかいても落ちにくいマスカラ」など、機能性の高さが若い女性を中心に支持されてきた。しかし発売から約20年がたち、気づけば主要顧客層は40代に上昇していた。近年は売り上げも漸減傾向が続いており、ブランドの成長のためには20代など若年層の開拓を急ぐ必要があった。

ブランドの「若返り」に向けて、19年にプロジェクトチームを立ち上げた。プロジェクトチームはメインターゲットとなる20代の社員を中心に構成。同世代の考えをリブランディングに取り入れやすくする狙いで、顧客インサイトの発掘から商品開発、店頭での訴求提案などに取り組んだ。また、20代への発信力が大きいインフルエンサーとも組み、企画の段階から意見を取り入れていった。

ファシオについて消費者へのヒアリングを実施すると、20代からは「マスカラの機能性は高いけど見た目がかわいくない」など、デザインへの評価が低いことがわかった。コンシューマーブランド事業部の伊藤理恵氏は「ファシオは『母親が使っているブランドのイメージ』といった声もあり、若い世代に訴求できていないことに改めて気づいた」と振り返る。

ファシオの強みである機能性の高さを維持しつつ、20代のメークに対する考え方を取り入れようと模索した。以前は他人からの見え方や身だしなみを気にしてメークする意識が強かったが、今は「自分らしさを大事にする」(伊藤氏)など、メークは自分のためにするという考え方に変わってきている。機能性を重視していても「自分の肌に無理のない、なじむような機能を求めている」(伊藤氏)傾向がわかった。

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新コンセプトは「なじむ、らしさ、つづく。」