広がる家庭ゴミ有料化 「捨てる」コストを抑えるには無駄をなくそう 節約生活のススメ

2021/10/14
きちんと分別する習慣も大切(写真はイメージ=PIXTA)
きちんと分別する習慣も大切(写真はイメージ=PIXTA)

日々生活をしている中で、ゴミを1つも出さないというのは、ほぼ不可能に近いことでしょう。

ゴミの種類や分別の仕方は、自治体によって異なり、何が有料で何が無料かといったルールも様々です。ただし、全国を見渡しますと、ゴミの収集を有料化する地域が増えてきているようです。

そこで今回は、ゴミの処理代を節約する方法をご紹介します。

燃やせる家庭ゴミ、有料化する自治体が増加

前述の通り、自治体によってゴミの分別や処理にかかる料金は異なります。ただ、大きく分類すると以下のようにグループ分けできます(ピアノやタイヤなど自治体の処理施設で受け付けていない不用品を除く)。

A)燃やせるゴミ・燃やせないゴミ(B~Dに該当する不燃のものを除く)

B)粗大ゴミ

C)ペットボトル・瓶・缶・プラスチック・古紙・布類

D)家電リサイクル法対象品や家庭用パソコン

この中でBの「粗大ゴミ」は回収券(自治体により数百円~1000円程度)を購入し、それを貼って収集日に指定された場所に出しておくという地域が多くなっています。

Cは資源ゴミとなりリサイクル目的とされるもので、無料で回収してくれる地域が多いようです。

Dに挙げたなかで、「家電リサイクル法対象品」とは、文字通り法で定められていてリサイクル料金と引き取り依頼の場合は収集・運搬料金がかかるものです。具体的にはエアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機になります。一方、家庭の使用済みパソコンも資源有効利用促進法に基づき、メーカーによる回収・リサイクルの仕組みがあります。なお、2013年の小型家電リサイクル法施行後、一部の自治体や家電量販店でパソコンや小型家電を回収している例もあります。処分にあたっては、お住まいの地域の情報を確認なさってみてください。

実は、これらのなかで自治体によって有料か無料か大きく分かれているのが、Aの「燃やせるゴミ・燃やせないゴミ」です。有料の場合は、自治体指定のゴミ袋を購入するなどして料金を支払うといった例がみられます。

その場合、ゴミ袋が45リットルサイズで1枚10円の自治体もあれば、80円する自治体もあります。家族の人数によって出るゴミの量は違いますが、仮に1回のゴミ収集に45リットルサイズの袋で2枚分のゴミを出し、週に2回収集があったとすると月に出すゴミの量は16枚分。指定ゴミ袋の値段が45リットルサイズ1枚で50円として計算すると、毎月ゴミを捨てるのに800円かかることに。映画見放題のサブスクリプションのサービスを契約できそうな金額となります。

燃やせるゴミの収集を有料化する自治体は年々増えており、今は無料の地域でもそう遠くない日に有料となるかもしれません。環境にもお財布にもやさしい、ゴミ減らしにつながる分別の習慣を今から家族でつけておくことが大切といえそうです。

では実際にはどのようにして、ゴミを少なくしていけばよいでしょうか。

燃やせるゴミは総量を減らす

まず燃やせるゴミは、とにかくゴミの総量を減らすことを目指します。先ほどお伝えしたように、資源ゴミは、燃やせるゴミが有料回収の自治体でも無料で回収というケースが多いです。だから、ゴミの総量を減らす際は、しっかりと資源ゴミを分別していくことが必要になります。

紙類で個人情報が書かれているなどの問題もなく出せるものは、古紙の収集日に出すようにしましょう。新聞や雑誌などまとめやすいもの以外の細かい紙類は、家の中のどこかに紙袋を設置し、そこに入れて保管していく習慣をつけるとよいでしょう。

家庭から出るゴミとして、意外に多いのがプラスチックゴミです。リサイクルの「プラ」マークがついているものもあります。もっとも、衣料用洗剤やシャンプーの詰め替え用の袋など洗う必要があるものが多く、その作業自体がおっくうになりがち。このため、プラスチックゴミは「洗って、乾かして、まとめる」という工程をやりやすいように、家のなかで準備しておきます。たとえば、キッチンの流しの横にプラゴミを乾かすときに仮置きできるよう、100円ショップのコップスタンドなどを用意しておくといいかもしれません。

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買い物のときから捨てるコストや手間を意識