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国の科学研究予算の配分を担う科学技術振興機構(JST)の理事長に4月に就任した橋本和仁理事長(67)。国の研究機関トップを務め、政府の総合科学技術・イノベーション会議の民間議員として科学技術政策の立案にも関わってきた。日本の研究力の国際的な地位低下が続くが、橋本氏は「再興へ最大で最後のチャンス。政府と研究現場をつなぎたい」と力を込める。

――これまで10人程度の研究室から1500人規模の研究機関まで様々な組織を率いてきました。リーダーに必要な資質は組織の大きさによって違うものでしょうか。

「私は同じようにやっています。組織のメンバーを家族と思い家長として振る舞ってきました。ただ、時にはリーダーとして厳しい決断をしたり、叱責しないといけない場合もあります。そういう時は必ず後から冗談を言って場を和ませるようにしています」

――日本の科学技術力を高めるため、JSTでどのようにリーダーを務めますか?

「JSTの目的は科学技術で生まれた優れた芽を社会に役立つように伸ばすことです。仮に実用化が100だとしたら、ゼロから1を生み出す段階を支援しているのが国の科学研究費補助金(科研費)です。研究者の自由な発想に基づく研究を援助します。そこから先は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの資金や、企業の投資で実用化まで導きます。JSTは1~10の段階をサポートします」

「研究者側から見て分かりにくい面もあります。最適化するために、予算をしっかりと整理し直すことが重要です。その際には研究現場の意向も大事です。政策目的のために枠組みを作っても、何をやるべきか、具体的な情報を持っているのは最先端の研究者です。しかし、研究現場の情報をうまく集める仕組みが十分ではありませんでした」

「JSTが政策決定に必要な情報を現場から集めるシンクタンク機能を担えると思います。私が先頭に立って政府と研究現場をつないでいきたいと思います。簡単ではありませんが、私は研究の現場をよく知っていますし今も有力な研究者や若手研究者と交流しています。科学技術政策にも関わった私の使命です」

科学技術振興機構理事長 橋本和仁氏

科学技術振興機構理事長 橋本和仁氏

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