「思いついたタスクから着手」卒業 朝活で効率アップ
ニューノーマルを生き抜く 「朝1時間」活用塾
ビジネススキル「やりたいこと」を頭の中からいったんすべて取り出してみる(写真はイメージ=PIXTA)
2021年も終わりに近づいてきました。年内に済ませておきたい仕事への焦りや、来年こそ頑張りたい仕事への意気込みが混在し、何から手を付けていいかわからなくなる場合もありますよね。差し迫った出来事に追われて優先順位が付けられず、全部重要で緊急な気がして取捨選択できないといった気持ちになることもあるのではないでしょうか。そんなときも「朝活」は効果があります。早起きで様々な活動を実践する「朝活」の伝道師、池田千恵氏が朝活を通じた仕事の焦りの解決法を解説します。
今回は読者の次の相談に回答します。
A. やりやすいこと、すぐ手を付けられることから始めていると、逆に目の前のことに追われてしまい、焦りが倍増することも。まずは最初にやりたいこと、やらなければならないことをすべて「頭の引き出し」から出してしまいましょう。その上でひとつひとつ優先順位を付けて整理していきましょう。ただ考えているより、何かに書き出すなどやるべきことややりたいことを具体的に「見える化」することが大事です。そのためには1人時間として集中しやすい朝活を使いましょう。
優先順位を付けるのに効果的な手順は次の3ステップです。
2. 取り出したタスクを「緊急度×重要度」で色分けする(下の図参照)
3. タスクをガントチャート(横軸に時間、縦軸にタスクを配置して工程管理しやすくしたグラフ)に書き出してみる
「あれもこれも」はいったん頭から全部出す
あなたは朝活に興味がありますか。朝活に興味を持つ人は、自分の成長を諦めず、様々なことを実現させたい「あれもこれも族」が多いようです。自分の人生をよりよいものにしたいから、限られた時間を最大限に活用するために早起きして朝活にチャレンジしています。常に「もっと!」を目指すのはよいことですが、半面、「時間がない!」と焦る気持ちに襲われる場合も多いようです。
今回の質問者の方もやりたいことがいろいろあるようです。そんな「あれもこれも族」におすすめの行動は、頭の中にある「あれもこれも」をいったん全部紙の上やパソコンのテキストに書き出して、タスクの全体像を見える状態にすることです。
早く始めないと間に合わないと思うあまり、思い浮かんだ順にタスクに取り掛かるのはよくありません。書き出すなどしていったん頭から外に出すと、焦る気持ちも落ち着いてきます。そして、すぐにやらなければいけないことが、実は意外に少ないことに気づくものです。気持ちを落ち着かせるためにも、まずは「あれもこれも」を書き出してみましょう。
書き出している段階では仕事やプライベートの区分けや、タスクの大きさや緊急度などは考える必要はありません。とにかく今モヤモヤしていることを吐き出すイメージで書き出してください。
「緊急度×重要度」で色分けする
出し切ったタスクを、次の図を参考に「緊急度×重要度」で色分けしてみましょう。書き出したものは4色ボールペンを使い下線を引いてみたり、パソコンを使って書き出した場合は色を変えてみたりするのをおすすめします。
タスクを「緊急度×重要度」で色分けする
・緊急×重要:刈り取りの緑(今目の前の生活や仕事に直結するイメージ)
・緊急×重要でない:間引きの青(やらなくても本当は大きな影響はないけれど、目の前の状況のせいですぐに取りかからなければいけない気持ちになるもの)
・緊急でない×重要でない:塩漬けの黒(そもそもやっている意味がないまま思考停止で続けているもの)
差し迫った年末の予定は緊急×重要の「刈り取りの緑」で、新年明けての計画は緊急でない×重要の「種まきの赤」で、といったように分類すると、今すぐすべきか、そうでないかを視覚で認識できるようになります。