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freee(フリー)は金融とITを組み合わせたフィンテック分野の有力スタートアップの一つだ。起業家の佐々木大輔最高経営責任者(CEO、41)は中小・零細企業を非効率な経理業務から解放することを掲げ、クラウド会計ソフトの国内市場を切り開いた。リーダーの条件を「ミッションを掲げ、ムーブメント(社会運動)を巻き起こすこと」と話す。

――リーダーに求められる最も重要なこととは何でしょうか。

「社長の業務の内容自体は優秀な誰かに簡単に置き換えられると思っています。ですが、ミッションをつくるのはリーダーの仕事です」

――フリーのミッションとは。

「起業した2012年当時は中小・零細企業を創造的な活動にフォーカスできるようにする、というものでした。私は元々、米グーグルの日本法人で中小企業向けのマーケティングに従事していました。いわゆるインターネット広告です。ただ、ネット広告を勧めるだけで終わってはだめだとも思いました。テクノロジーが当たり前に使われる世の中にするにはどうすればいいんだろう、ということをずっと考えていました」

「そこで中小企業の会計ソフトウエアが遅れていることに気付きました。当時、経理の担当の方が一日中、数値入力の仕事をしていました。この経理作業を自動化できれば、そのデータがクラウドでほかの会社や銀行とつながり、その先に人工知能(AI)が最高財務責任者になる時代がくると直感しました。誰でも起業して経営アドバイスを受けながらビジネスを大きくする世の中をつくりたいと考えて、起業をしました」

フリーCEO 佐々木大輔氏

フリーCEO 佐々木大輔氏

――起業時からミッションは変えていないのですか。

「一度変えました。今は『スモールビジネスを世界の主役に』です。クラウド会計ソフトは経営の効率化の手段となっていますが、もっと中小企業の経営を支援したいと考えています。最近では与信枠の大きなクレジットカードサービスを始めて、資金繰りの改善につなげています」

「大企業では当たり前ですが、中小企業では事務コストが大きくて導入に二の足を踏んでいた借り上げ社宅運営サービスを提供しています。福利厚生を改善することで人を雇いやすくするお手伝いをしています。ミッションを示し、そっちに向かおうぜというムーブメントを巻き起こすのがリーダーの仕事です」

「こういう考え方はグーグルの影響が大きいのかもしれないです。当時の米グーグル幹部が言っていたのはグーグルは会社ではなく、ムーブメントなんですと。目指すところは大きな意義のためにみんなが集まって課題解決に動く組織ですね」

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